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【スカイツリー成長記】

墨堤の桜 見守る

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 桜咲く春を迎えても、下町の自慢の子、東京スカイツリー(墨田区押上)の成長はゆっくり。今月は、建設現場のあたりを目を凝らして見てください。三匹の赤いキリンのようにも見えるタワークレーンが、これからツリーを育てます。

 東京スカイツリー建設地から西に約500メートル。隅田公園の「墨堤の桜」が、見ごろを迎えている。江戸時代から続く桜の名所だ。

 「あのソメイヨシノの上から、にょっきりとしたツリーが望めるんでしょうね」。墨田区の主婦、原島早智子さん(66)=写真=が空を見上げた。

 桜を守る同区のボランティア。墨堤の桜を撮影してDVDなどを作製しているほか、A4判、4ページのミニ新聞「花華(はなばな)通信」を1人でつくっている。

 創刊は2006年3月。年4回の発行で、同区内の図書館などで無料配布している。好評なのが、小説家堀辰雄の住居跡や王貞治さんが少年時代に場外ホームランを放った野球場など、隅田公園周辺の名所旧跡を紹介する周遊マップ。「こんな場所もあったの、と驚く人もいるんですよ」と笑う。

満開の桜の奥に顔を出す3基のタワークレーン=墨田区で

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 墨堤の桜は1966年、首都高速道建設に伴い撤去され、いったん姿を消した。70年に植え直されたが、隅田公園を分断するように走る高速道路は、都民に愛されてきた風景を変えてしまった。

 地元で育った原島さんにとって、隅田公園は、子どものころに花見や盆踊りなどで訪れた思い出の場所。新聞には「高速道路ができて、さびれてしまった公園の魅力を再発見してほしい」との願いが込められている。

 「殺風景な高速道路と違い、ツリーは桜の風景に溶け込むはず。その写真が紙面を飾るのが、今から楽しみ」という。

<工事メモ> 塔の芯となる円柱部分は20メートルと先月と同じ高さ。この1カ月間、周辺の低層棟や地下の工事が進められていた。低層棟の上部に、鉄骨を組み上げる赤いタワークレーン3基が設置され、本格的な“成長”はこれから。超高層建築の要として、未知の高さにも耐えられる特注仕様となっている。6日、立柱安全祈願を終えた大林組の鳥居茂・新タワー建設工事事務所総合所長(60)は「ここまで無事故でほっとした。工事はこれからが本番」と気を引き締める。

 文・鬼木洋一/写真・笠原和則

 

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