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【スカイツリー成長記】

着工1年 白い姿出現

地元に愛されるタワーにしたいと話す宮杉欣也社長

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 本格的な夏が近づき、青空が色濃くなる中、東京スカイツリー(墨田区押上)はきょう十四日、“一歳”の誕生日を迎える。高さは七十六メートルに達し、塔本体を編み上げる白い鉄骨も姿を見せ始めた。

 二〇〇八年七月十四日の着工から一年。ツリーは高さ七十六メートルに伸び、日本の伝統色「藍白(あいじろ)」に塗装された鉄骨もようやく見え始めた。地下にくいを打つ工事に始まり、地上最初の鉄骨を据えた立柱式、ツリーを支える三本足「鼎(かなえ)」の連結…。工事は順調に進んだ。東武タワースカイツリー社長、宮杉欣也さん(63)の印象に残るのは四月六日の立柱式。「あれから目に見える形でどんどん成長した。スカイツリーはぴったりの名前でした」と振り返る。

 宮杉さんは東武線が走る栃木県足利市で、織物仲買商の次男として生まれた。慶応大学卒業後、「町づくりがしたい」と一九六八年に東武鉄道に入社。東武ホテル営業本部長や東武トラベル社長を歴任した。観光畑での手腕が認められ〇六年、東武鉄道が社運を掛けたこの巨大事業を任された。「正直大変なことになったなと思いました。体力がもつかな、と」。当時の気持ちを明かす。

網の目のようにつながって、組みあがる白い塔の本体=墨田区で、本社ヘリ「おおづる」から

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 着々と工程をこなす一方で、関連企業や地元企業から出資を募るのも重要な仕事だった。当初四億円だった資本金を百億円に積み増し、資本準備金は五十億円になった。目標の三百億円の半分を達成。不況下でも「順調に集まっている」という。今年の秋から冬には商業施設のテナント募集も始まる見込み。「今後は本当に早く時間がたつはず。開業まで残り二年半。時間があるようでありません」と気を引き締める。

 これからの一年間は考える時間。観光客を楽しませる運営計画や内部のデザイン、イルミネーションなどを詰めてゆく。詳細はまだ秘密だが、「高さという空間軸を使って、江戸から現代、未来に至る時間軸を表現したい」とコンセプトを語る。

 池波正太郎の時代小説を愛読し、古き良き下町文化を知る宮杉さん。下町には親近感を覚えるという。「地元に自然に受け入れられ、喜んでもらえるような施設にしたい」と意気込む。

 文・岡村淳司/写真・笠原和則

 

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