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【スカイツリー成長記】

下町っ子V字回復

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 先月から十五メートル強伸びた東京スカイツリー(墨田区押上)。ツリーを支える三本脚をドッキングする、重要な通過点に差し掛かっている。現在は足場やネットに覆われての作業が続くが、白い姿を現すのももうすぐだ。

 東京スカイツリー建設地の周辺は今、マンションの新築ラッシュ。ツリーから近いことを売りにする広告も。墨田区の担当者は「商店や住宅の密集地だが、廃業した町工場や空き店舗の跡地でマンション建設が増えている」と説明する。

 減り続けていた子供の数も“V字回復”。10年前、3校が統廃合してできた区立押上小学校の児童数は646人。開校時より140人も増えた。

 ツリーと一緒に育つ学校に今春、35歳の新人先生が着任した。3年3組の担任、吉沢とき子さん=写真=は、同地区と隣接する京島地区出身。「子供たちは、私の小学生時代と変わらない。下町っ子らしく明るくて素直」と語る。

 子供のころから小学校の先生になるのが夢だったが、大学卒業時に受けた教員採用試験は失敗。当時は、競争倍率が10倍を超える「就職氷河期」だった。幼稚園の先生を4年、小学校の非常勤講師を10年続けた。「これが最後」と臨んだ5度目の試験で合格した。

 講師のころは、1日に複数の学校を掛け持ちすることも、しばしば。「今は、ずっと子供たちと一緒にいられて幸せ」。学習指導要領改定で小学校英語が必修化されるのに先立ち、同小では今春から5、6年で英語の授業が始まった。その授業を受け持つのが次の夢。「教え子たちが、スカイツリー観光に訪れた外国人を道案内する姿を想像したりしています」と笑う。

塔本体の周りにびっしりと設置された足場や落下物防止ネット=墨田区で、本社ヘリ「わかづる」から

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<工事メモ> ツリーを支えるのは鼎(かなえ)と呼ばれる三本脚。現在は三方向から斜めに伸びた脚が、高さ五十メートルでドッキングするところだ。

 「ここまでがイレギュラー(変則的)な工程」と、大林組技術本部の担当者。「最初が肝心。下がバラバラだと後で直すのが大変なんです」と話す。測量が最も重要な時期で、柱を継ぐたびにミリ単位のチェックを繰り返す。

 塔本体は足場のネットに覆われて見えない。しかし、これから上には足場が伸びず、外からもよく見えるようになるという。ネットは目が細かければ風圧を受け、粗ければ物がすり抜ける。“ちょうど良さ”を求めネットも厳選されている。

文・鬼木洋一/写真・笠原和則

 

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