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【スカイツリー成長記】

現場つなぐ“指揮者”

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 あまり目立たないが、建築現場に欠かせないのが「監理」の仕事。二次元の設計図が三次元の建物になる時、居住性、安全性、性能などが計画通り実現するかチェックする役目だ。

 東京スカイツリーの工事現場で監理チーム七人をまとめるのが、日建設計監理部の山崎淳主管(50)=写真。「建て主と設計者と施工者の間に立ち、施工図、施工計画書の作成段階から協議を重ねている。単なる完成品の検査員ではない」と強調する。

 ツリーは、電波塔としては世界一の高さになる超高層建造物。直面するのは、前例のない難しさだ。直径二・三メートルの円形の鉄骨など巨大な材料もあり、「通常の基準値を目安に、接合のずれなどについて、どの部分を厳しくし、どこに余裕を持たせるか、新しい基準を決めて、それを基に確認しなくてはならない」と、思考しながらの作業が続く。ただし「ミリ単位までの正確さが問われる点は、通常の建物と一緒」という。

 新潟県出身。父がゼネコン勤務、親せきが設計事務所を経営する環境にあって、早稲田大理工学部、大学院で建築を学んだ。

 日建設計に入社後は構造設計に携わり、十五年ほど前、幅広い知識や経験、さらに人間味も求められる監理部門に。東京から単身赴任し、ツリーと同様、大林組が施工した京都迎賓館の監理を経験した。

 「京都は伝統技能を持った職人の仕事、今度のツリーは先端技術の集まり。かなり違いますね」と笑い、「でも、人と人とのつながりが一番大事な点は同じ」と強調する。

 「管理」でなく、映画監督、スポーツの監督と同じ「監」の字を使う「監理」。山崎さんは、「オーケストラの指揮者のようなもの」と解釈している。

 「現場のやる気を生みだし、最高の技術を引き出せば、必ずいいものができる。歴史に残る世界を代表するタワーの仕事は、きっと誇りになると思う」

土台部分の鉄骨まですっきりと見えるようになった

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<工事メモ>

 二〇〇八年七月の着工から二度目のお正月を迎えた東京スカイツリー(墨田区押上)。工事がストップしたのは、大みそかと正月三が日の四日間だけだった。

 下部を覆っていた足場は昨年十月中旬から解体作業が始まり今月中には終了する。ネットも外され土台部分の鉄骨まですっきりと見える。

 文・井上幸一/写真・笠原和則、坂本亜由理

 

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