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【スカイツリー成長記】

第2展望台 回廊くるり 「空中」てくてく 「山頂」わくわく

第二展望台「空中回廊」について説明する日建設計の吉野繁さん=11月26日、東京都千代田区で

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 「日本一の眺望まで歩いて登りつめる。山登りで山頂を極めるような感動を演出したかったんです」

 東京スカイツリーの第二展望台(高さ四百五十メートル)に巻き付いているような空中回廊について、意匠設計担当の日建設計の吉野繁さん(49)は話す。二〇〇五年夏、登山を始めた。スカイツリーのデザイン発表より一年三カ月ほど前だ。ツリーの頂点は、首都圏で最初に朝日に染まり、最も遅くまで夕日を浴びると聞き、設計者として、日の出が有名な富士山の頂上を体験しようと思ったからだ。

 山頂に着き、朝日が昇る。それまでの疲労がうそのように消え、日本一の高さを踏みしめている達成感に震えた。「展望台も、最後は自分の足で歩き、日本一の景色を自分のものにしてもらえたら面白いのでは」。以前から考えていた空中回廊のアイデアを、実現させる決心をした。

 第二展望台は二階建て。エレベーターで一階に到着すると、北側が空中回廊の入り口になる。回廊は、膨らむように展望台の外側へ張り出し、幅二・四メートルの坂道が約百メートル、二階まで延びる。足元から頭上近くまでをガラスで覆われ、文字通り、宙を歩くような景観が広がる。展望台をほぼ一周、回廊入り口より五メートル分を上がると、高さ日本一の展望室だ。

 すり鉢状の展望台に、空中回廊を巻き付ける設計は、至難の業だった。高さが上がるに連れて展望台が外側にせり出すため、回廊もその形に合わせていく必要があった。

 回廊の骨組みは、半円形をした鉄骨、約七十本。一つ一つすべてが、わずかに違う形をしながら、トンネル状の回廊を形づくる。「鉄骨一本ごとに断面図を作って、展望台と合うように調整する地道な作業を繰り返しました」

 最後は自分で歩く。空中に浮かぶ山頂を極めたとき広がる絶景は、どんな気分にさせてくれるのだろう。

夕日を浴びる東京スカイツリー。第2展望台に巻き付くような空中回廊が見える=5日、東京都墨田区で

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<工事メモ>明と暗 見え方比べて

 外側からは見えないが、スカイツリーの第1展望台では内装工事が進んでいる。内装の色合いは第1と第2で正反対になる。

 日建設計によると、第1展望台(高さ350メートル)は外の景色が見やすいように、室内の色調を暗めにする。

 第2展望台は、白っぽい色調で、外光が反射し空のような明るい空間になる。「高さ日本一の展望室で、空中を浮遊するような感覚を楽しんでほしい」と吉野さん。

 来場者を飽きさせない工夫が、趣の違う二つの展望台を生む。

 文・小野沢健太/写真・笠原和則、中西祥子

 

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