東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > アーカイブ2011 > スカイツリー成長記 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【スカイツリー成長記】

世界一 次は中身で

鈴木道明社長

写真

 「あっという間に世界一になった。うれしさもありますが、今年末の竣工(しゅんこう)まで無事に工事が進んでほしい気持ちが大きい」。東京スカイツリーは一日、自立式電波塔として世界一の高さとなった。事業主である東武タワースカイツリーの鈴木道明社長(54)は、念願達成にも気を緩めない。

 三月中に、完成時の高さ六百三十四メートルに到達する。東武鉄道が事業参加を表明した二〇〇五年二月から六年余りがたち、開業まであと一年ほどとなった。

 「高さを伸ばす工事は最終盤ですが、運営面など施設全体の準備はまだまだこれから。世界一の高さよりも、設備内容やおもてなしなどを含めた総合力で世界一と評価されることを目指したい」

 観光施設としては、温かみのある下町文化など、東京東部ならではの魅力発信を狙う。「来場者に地元の街歩き観光をしてもらうことや、ものづくりに親しんでもらうことは、相乗効果となる」と、墨田区との連携を重視する。

 建設途上の昨年六月末、三代目社長として就任した。電波塔というインフラ施設を担う重責を感じる一方で、工事中から建設地周辺に多くの見物客が詰めかけていることに驚いた。すでに当時、ツリーは東京タワーより高い三百九十八メートルだった。

 「塔体の『そり』や『むくり』、江戸文化の粋や雅(みやび)を表現した照明など、日本を意識したデザインコンセプトが受け入れられたのかもしれません」

 予想以上の注目を集めながら、開業に向けた総仕上げが本格化する。「新旧が融合した東京の新しい魅力を国内外に発信し、来場した方の人生の思い出になるような施設にしたい」。高さから内容へと、成長段階は移っていく。

東京スカイツリー第1展望台345メートルからの眺め。富士山を背景に、大手町や新宿の高層ビル群など都心を一望できる。網目は降雪対策ネットで、完成時には撤去される=6日、東京都墨田区で

写真

<工事メモ>塔に巻き付く「落雷計」

 少しずつ完成時の高さへと近づく「ゲイン塔」には、放送用アンテナだけではなく、落雷の電流を計測する「ロゴスキーコイル」も設置される。銅線をコイル状に巻いたもので、全長約32メートル。高さ497メートルのゲイン塔根元付近で巻きつけるように設置する。

 この高さでは年間20〜30回の落雷があるとみられ、貴重な観測データが得られそうだ。電力中央研究所が3日、東武タワースカイツリーと契約し、東大も共同研究に参加する予定だ。

 文・小野沢健太/写真・笠原和則、中西祥子

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報