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【スカイツリー成長記】

「腕」4基 天空の分解大作戦

左側のタワークレーンの支柱2本が下ろされ低くなった=東京都墨田区で、本社ヘリ「あさづる」から

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 自立式電波塔として高さ世界一の東京スカイツリー(六百三十四メートル)は、その姿を組み上げてきたタワークレーンも威容を誇る。大型資材の搬入をほぼ終え、二十三日、その解体が始まった。高所での巨大クレーン解体はツリー完成への最後の見せ場となっている。

 クレーンは二〇〇九年三月から稼働してきた。ワイヤはツリー仕様に改良されている。その長さは標準より一・四倍の四百二十メートルで国内最長だ。パワーもあり、一度に三十二トンをつり上げられる。

 工事前半は、そのときの最上部に設置されていたが、現在は第一展望台の屋根上(三百七十五メートル)に四基ある。背の低い二基が、地上から屋根上まで資材を運搬。約百二十メートルの支柱上にある二基が、塔体の最上部、約五百メートルの建設現場まで引き上げている。

 その解体作業は、高度な機械技術と現場作業員の職人技が組み合わさり、進んでいく。

 二十三日には、クレーンを展望台に向けて下げる作業が始まった。運転席を支柱に沿って降下させ、上部に突き出た支柱をクレーンでつり上げ取り除く。クレーンの解体をクレーンが担う仕組みだ。六メートルごとにある支柱のつなぎ目には、とび職人が十人ほど張り付き、ボルトを一つずつ外していく。

 展望台にまで降りると、とび職人らがクレーン本体に登ってボルトなどの留め具を外し、隣のクレーンで部品を降ろす。長さ四十二メートルもある「ジブ」と呼ばれるクレーンの腕の部分は、腕を水平に倒した後、とび職人が先端までつたって行き、ワイヤを取り外す。

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 北から時計回りに一基ずつ分解し、最後に残る西側の一基は一回り小さなクレーンを新たに設けて解体。これを三回繰り返してクレーンをどんどん小さくし、最後は人の手で解体する。

 ツリー仕様のクレーンは、部品ひとつが最大十一トンもあるが、最後の解体用クレーンは一番重い部品でも九十キロ。作業員らが手に持ち、エレベーターで地上へ運ぶ。

 四基のタワークレーンは、七月中旬に姿を消す。解体用に設置する小型クレーンも、今秋には役目を終える予定だ。

 工事中にしか見られないクレーン付きのツリーは人気を呼び、事業者や墨田区の予想を超える見物客を引きつけた。施工を担当する大林組の田村達一技術本部副部長(48)は「クレーンがなくなれば、外観は完成時とほとんど同じになる。工事もいよいよ終わるんだなあ、って寂しさを感じます」と、しみじみ話す。

 文・小野沢健太/写真・笠原和則、河口貞史、潟沼義樹

 

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