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本紙原発報道に菊池寛賞 「果敢なるジャーナリズム精神」

 日本文学振興会は十五日、東京新聞(中日新聞東京本社)「原発事故取材班(現原発取材班)」などに第六十回菊池寛賞を贈ると発表した。ほかの受賞者は、俳優の高倉健さん、作家の曽野綾子さんら。賞金は各百万円。十二月上旬、東京都内で贈呈式が行われる。 

 本紙の受賞理由は、福島第一原発事故がなぜ起きたのかを調査報道の手法で探り、情報を隠蔽(いんぺい)しようとする政府・東京電力を告発し続けた「果敢なるジャーナリズム精神」に対して、としている。本紙の受賞は、ロッキード事件の裁判報道「裁かれる首相の犯罪」(一九八二年)以来、二度目。

◆原発事故検証を評価 政府・電力会社のウソ暴く

 菊池寛賞を受賞した本紙原発事故取材班は昨年3月以降、東京電力福島第一原発の事故原因を中心に、検証報道などを続けてきた。 

 社会部、科学部を中心に政治、経済など各部の記者に加え、名古屋など各本社などからも応援を得て、事故直後から取材班を組織。特報部も独自の視点で、政府や電力会社の発表の裏に潜むウソを暴いてきた。

 事故直後は、爆発や炉心溶融など次々に起きる現象の報道に追われたが、その後は調査報道に軸足を移し連載「レベル7」をスタート。八部四十四回の連載と六回の番外編では、事故直後の一週間を検証したり、「想定外」の津波の背景で政府や電力会社が安全を軽視し続けてきたことを報じたりした。

 このほか原発がすべての交流電源を失って原子炉を冷却できない事態を想定し、原子力安全委員会の作業部会が安全対策の見直しを検討しながら、報告書をお蔵入りさせていたことをスクープ。経済産業省資源エネルギー庁のメディア監視の実態や、電気料金値上げの際の東電の「言わないウソ」も暴いた。

 名古屋本社の原発取材チームは現在、「日米同盟と原発」のシリーズで、原子力の草創期にさかのぼって、検証を続けている。

 特報部の報道は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞や新聞労連大賞を受賞している。

 

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