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【再生の原風景 渡良瀬】

<足尾と遊水地>「負の遺産」を未来に

今も煙の通り道が残る松木渓谷。奧は皇海山。右は松木川=栃木県日光市で、本社ヘリ「あさづる」から

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 東京ヘリポートから本社ヘリ「あさづる」に搭乗して約35分。渡良瀬川源流の松木渓谷を訪れた。眼下には緑が失われ、荒涼としたはげ山が連なる。露出した岩に、立ち枯れの木が点在。「日本のグランドキャニオン」と称される景観が異彩を放つ。

 「ここは煙突の中である」と立松和平さんは21年前、本紙連載「渡良瀬有情」で書いた。取材班の一員として、心打たれる言葉だった。この渓谷は日本の公害の原点といわれる足尾銅山の製錬所からの亜硫酸ガスの通り道。煙害と乱伐、山火事などで草木も生えない岩山に変貌した。

 本格的な緑化事業は1956年にスタート。半世紀が過ぎ、荒廃地2590ヘクタールのほぼ半分の山に緑が復活した。原風景の再生には、まだ途方もない年月がかかるという。この渓谷の約400ヘクタールは「観測監視区域」として植林しないで保存される。足尾の「負の遺産」を未来に伝えてくれる。

写真と文・堀内洋助

 

再生の原風景 ラムサール湿地

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