東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > アーカイブ2013 > 都議選2013 > ニュース > 記事

ここから本文
都議選2013

ニュース

喜びも悲しみも…引退都議が思い語る

 十四日に告示される都議選に立候補せず、今期限りで引退する都議にとって、三日に開会した都議会第二定例会は最後の舞台となる。都政に関わって最も印象に残る思い出と、これからの都議会へのアドバイスを聞いた。 (松村裕子、比護正史、安藤恭子)

◆孫の死…命を見つめ活動 田副 民夫氏(63) 世田谷区・共産

 二〇〇六年末、一歳八カ月の孫を亡くした。風邪をこじらせ、救急車で運ばれたが、転送先の病院で息を引き取った。

 地元の世田谷区の梅ケ丘病院など三カ所の小児病院を一カ所に移転統合する条例案を〇九年に審議した。代表質問で「高度な小児医療が可能な病院が、近くからなくなる」と反対した。しかし、移転統合は実現してしまう。

 孫の死と重なり、思い入れが強まっていく。子どもの命や地元の自然を、政治がどう守るかを訴えてきた。

 行政をチェックする議会の機能が弱まっている気がする。与党ももっと提言すべきだ。

◆神奈川の方が良かった 比留間敏夫氏(79) 府中市・自民

 五期二十年、多摩地域と二十三区の格差是正に取り組んできた。しかし、あまり変わっていない。議員の数が多い二十三区が強すぎて、壁は厚かった。

 地下鉄はないし、都営バスもほとんど走っていない。電話番号を「03」にすることもできなかった。石原慎太郎前知事が進めた横田基地の軍民共用化もかなわなかった。変わったのは、モノレールができたことぐらい。

 多摩地区は百二十年前に、神奈川県から東京府(当時)に編入された。編入されなかった方が良かったと思う。信条は信頼。都議は都民との信頼関係を大切にしてほしい。

◆「一人会派」で判断できた 福士 敬子氏(74) 杉並区・無所属

 記憶に残るのは、大手銀行を対象にした二〇〇〇年の外形標準課税条例案だ。与党も野党も賛成で、都議会で私一人だけ反対した。一生懸命勉強し、銀行だけを狙い撃ちするのは課税の平等性に欠けると判断した。

 石原慎太郎前知事の人気は高く、地元で「なぜ賛成しないのか」と怒られたことも。でも結局、裁判で和解し、都が徴収した税金を返すことになった。

 議員が一人でも反対する議案には問題がある。一人会派を通し、自分の思いに従って判断できた。

 今後は一市民として、反原発や福祉に取り組んでいく。

◆「会派を壊すな」と説得され 中村 明彦氏(66) 台東区・民主

 都が二〇〇五年に新銀行東京を設立した時、行政が税金で金融業を手掛けるのに反対だった。会派として最終的に賛成することになり、同僚議員から「会派を壊すのはやめてくれ」と説得され、賛成した。だが、反対した当初の判断は正しかったと、今でも思う。

 都は予算も人口も、一つの国に比べられるような規模だ。議長として都道府県の会合に出ると「まず東京さんがやってほしい」と言われることも多かった。東京の議長職は重いと感じる。

 自分の意見をうまく通せるような政治手腕を身に付けてほしいと、若手都議に望む。

 

この記事を印刷する