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都議選2013

特集・連載

探訪! 注目区<上>

支援者に手を振る都議選の立候補予定者=墨田区で

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 十四日に告示が迫る都議選は、立候補を予定する各陣営が前哨戦を繰り広げる。注目の選挙区を訪ね、情勢を探った。

◇墨田区 独占狙う自公に“さざ波”

 八日午後、買い物客でにぎわう墨田区内の大型ショッピングセンター前。自民現職の桜井浩之氏の応援演説に立った安倍晋三首相は「(墨田区に多い)木密地域の不燃化に尽力する桜井さんに感心した」と持ち上げた。首相はこの日、都議選の応援遊説をスタート。真っ先に入ったのが墨田区だった。

 自民は前回の都議選で、定数三の墨田区に一人しか擁立できなかった。だが、今回は桜井氏に加え、三十二歳の新人、川松真一朗氏を告示日の二週間前に追加公認した。過去二回の選挙で自民と公明、民主で分け合った三議席を自公で「独占」しようとする構えだ。

 「二人擁立」に桜井氏の陣営はとまどう。ある幹部は「こんなに遅い公認にみんな怒っている」。都議八期を務めた父・武氏の後を継ぎ、地元の厚い支持のある桜井氏も「票を食われかねない」と懸念する。

 公明現職の加藤雅之氏の陣営幹部も「こっちが割を食っている」と困惑する。前回の選挙では自民党の支持者にも応援してもらったが、「今回は自民に余裕はないだろう」と覚悟。加藤氏は支持団体へのあいさつ回りに余念がない。

 図らずも注目を集める形になった川松氏は選挙の態勢づくりに追われ、「自分の相撲をとるだけ」。二〇一一年の墨田区長選に立候補して次点に。昨年の衆院選では自民の比例単独候補だったが、届かなかった。今回は「墨田の声を発信しよう」と地元で生まれ育ったことを強調する。

 一方、前回選挙でトップ当選した民主現職の小沢昌也氏は「自民の二人出馬も想定内」と言いつつ、危機感を募らせる。三十歳という若さを前面に出す日本維新の会新人の森山一氏を意識していたが、「今は川松氏を意識する部分はある」と語った。 (奥野斐)

◆墨田区(三−6)

小沢昌也58 都監査委員   民現

桜井浩之47 (元)墨田区議   自現

川松真一朗32 (元)民放アナ   自新

加藤雅之48 党都組織局次長 公現

村本裕哉27 党地区相談室長 共新

森山一30 一級建築士   維新

◇武蔵野市 背水民主、菅氏ついに動く

 武蔵野市は民主党の菅直人元首相のお膝元。党公認の現職、松下玲子氏の選対本部長も菅氏が務める。だが、五月下旬の総決起集会に姿はなかった。街角の告示前ポスターにも登場しない。党の支持が低迷する中、表に出ない元首相に、ライバル陣営は強い関心を寄せ、「菅隠し」と揶揄(やゆ)する声も聞こえた。

 一議席を巡って民主現職と自民、共産の二新人が激突する。武蔵野市長を六期務めた自民の土屋正忠衆院議員と菅氏は長年のライバル。都議選は毎回、代理戦争の様相を呈す。

 菅氏が松下氏の総決起集会を欠席したのは以前から予定した群馬県高崎市での反原発集会と日程が重なったためだ。だが、松下陣営の選対幹部は「無理に調整はしなかった」と話す。

 前々回の都議選で新人だった松下氏を二人三脚で応援し、初当選させた当時とは様相が違う。選対関係者は、姿を見せないのも「菅氏の戦術の一つ」と受け止めていた。

 昨年末の衆院選。土屋氏は三度目の直接対決で初めて菅氏を上回り、小選挙区の議席を奪った。勢いに乗って自民公認の新人、島崎義司氏を積極的に応援する姿が印象的だ。島崎氏には保守系十三市議も支援に回り、五十以上の団体から推薦を得て組織力での圧倒を狙う。

 九日の日曜日、多くの人でごった返すJR吉祥寺駅前に突然、菅氏が姿を見せた。松下氏の横に立ち、集まった人々に「『菅隠し』とか言われているようだけど、隠れてなんかいないよ」と笑顔で語った。

 予想しにくい菅氏の行動にライバル陣営も気をもむ。この選挙区で六度戦った元都議で自民党総支部の重鎮、井口秀男氏は言う。「菅さんは選挙の天才。不気味だね」 (梅村武史)

◆武蔵野市(一−3)

松下玲子42 党武蔵野市支部長 民現

島崎義司47 (元)武蔵野市議長 自新

小川明弘32 党武蔵野市役員 共新

<記事の見方>

 ◆選挙区((1)−(2))名前  年齢 肩書 (3)(4)※掲載順は都議会の勢力順で同じ党なら、現職、元職、新人の順。加えて当選回数、五十音順。(1)は定数(2)は立候補予定者数(3)は公認党派(4)は現職、元職、新人の区分。民=民主、自=自民、公=公明、共=共産、維=日本維新の会、ネ=生活者ネット、み=みんなの党、生=生活の党、社=社民、ミ=みどりの風、諸=諸派、無=無所属。(立候補予定者の集計は六月十日現在。敬称略)

 

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