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東京都知事選2014

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東京都知事選2014

<始動 舛添都政>(中)自公への「負債」重く 独自性発揮できる?

あいさつに訪れ、安倍首相(左)と握手する舛添要一さん=10日、国会で

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 「アベノミクスで経済が上り調子にある。東京から経済を牽引(けんいん)したい」。東京都知事に当選して一夜明けた十日夕。舛添要一(65)は、国会で開かれた自民党役員会に顔を出した。首相の安倍晋三(59)ら党幹部を前に、政権を持ち上げながら抱負を語った。

 安倍から「国も舛添都政を支援したい」とエールを送られ、がっちり握手を交わす。入室した時の緊張した表情とは打って変わり、顔には穏やかな笑みが広がっていた。

 舛添は二〇〇一年の参院選で、自民から立候補して政界入りした。しかし、自民が野党に転落した一〇年、「歴史的使命は終わった」と飛び出した。

 「無所属」を強調して立候補した今回の都知事選。かつて除名された自民と、国政与党の公明党と政策を擦り合わせ、手厚い支援を受けた。

 節目になったのが告示一週間前、一月十六日の自民都連会議。舛添が出席し、「まったく新しい人間として、皆さんと共に何とか都政を立て直したい」と、自民議員らに頭を下げた。

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 「あのせりふはね、われわれが舛添に言わせたんだよ」。自民幹部が、その舞台裏を明かす。除名した相手を支援するための「みそぎ」がどうしても必要だったのだ。

 これで、自民の支援にエンジンがかかった。告示後の二十七日、党本部八階のホール。選挙の「集票マシン」となる各種業界団体の集会に、舛添は呼ばれた。建設、運輸、医療、教育…。千人近い出席者がホールを埋め、廊下にもあふれた。

 「これは舛添さんだけの人気じゃない。まず肝に銘じていただきたい」。文部科学相の下村博文(59)が壇上で念を押した。

 都議たちも舛添のために支持者を動員、個人演説会を各地で毎晩開いた。舛添は計四十カ所以上を回って支持を訴えた。

 ベテラン都議の内田茂(74)はこうくぎを刺す。「恩はちゃんと返す。約束したことは実行する。政治の基本だよな」

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 車の両輪に例えられる首長と議会。首長は大統領的な強い権限を持つが、どんなにすばらしいプランを描いても、議会で議案が否決されれば「絵に描いたもち」に等しい。

 舛添は「知事も都議会のみなさんも選挙で選ばれている。あらゆる会派と議論を重ねながら政策を進める」と、全方位での対話を目指す姿勢を強調する。ともに新党改革をつくった参院議員荒井広幸(55)も、舛添の長所を「しがらみがない。無党派の声というのかな。だから、斬新なことができる」と評する。

 しかし、今回つくった自民への「借り」は、重くのしかかりそうだ。

 舛添の選挙政策集をめくっていた都の幹部が、こう苦笑した。「待機児童ゼロも防災も、自民党が言っていることそのまんま。議会と対立した前知事と違って、安定感が出るのは歓迎すべきことだ」

 そして続けた。「でも、こんなにがんじがらめじゃ、独自性なんて発揮できない。舛添さんがどこまで我慢できるか、だね」 (敬称略)

 

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