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【わたしの春闘】

アイテクノ矢嶋労組委員長 寺島敏幸(てらしま・としゆき)さん(57)

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◆非正規の正社員化に成果

 精密板金加工を手掛けるアイテクノ矢嶋(長野市)に勤めて三十八年。今はカットした鉄板を各種製品用に曲げて加工する担当をしている。自分を職人だとは思わないが、仕事は一通りこなしてきた。労働組合の執行委員長は四年目。高熱の中で鉄板や工作機械を扱う職場なので、集中力が落ちるとけが人が出る。安全に働ける環境を整えることが労組の大事な仕事だ。

 春闘では平均賃金の2%相当分のベースアップを要求したが、会社の回答は一律五百円にとどまった。並んで重視した非正規労働者の正社員化では、成果を出せた。うちの社員約百六十人中、非正規は約七十人だが、どのくらいの期間勤めたら正社員に登用できるという制度が必ずしも明確に決まっていなかった。

 毎月一回、経営陣と労組執行部が話し合うたびに「正社員化してくださいよ」と言い続けた結果、この四月に五人の非正規が正社員になった。三年以上勤めて一定の技量がある人は、本人の希望や職場の推薦があれば、正社員にしようという方向付けもできた。

 よく会社は「一人を正社員にしたら、これだけ人件費が増える」と言う。景気が悪くなって仕事が減った時、非正規には「辞めてもらえないか」「休んでください」と頼みやすいのだろう。非正規全員を正社員にするのは難しいことも分かる。だが、能力をつけてきた人をいつまでも非正規にしておくと、いい転職先があれば辞めてしまう。長い目で見れば、会社に損になる。そこを粘り強く訴えた。 (聞き手・竹内洋一)

 

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