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【いま読む日本国憲法】

(25)第31条 刑事手続き 厳格規定

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 三一条から四〇条は、犯罪捜査の手続きや処罰についてのルールを定めています。この中には、基本的に裁判官の令状がなければ逮捕や家宅捜索などをされないこと(三三条、三五条)、自白を唯一の証拠としないこと(三八条)など、刑事訴訟法の条文かと思うほど細かく、具体的に規定された条文もあります。

 犯罪を捜査し、容疑者の身柄を拘束し、裁判にかけ、処罰することは国の重要な役割ですが、時として、為政者が都合の良いように刑事手続きを利用した歴史があります。

 戦前の特別高等(特高)警察は、政府に批判的な市民の活動を取り締まることを目的に設置され、言論弾圧、思想弾圧につながりました。こうした反省から、今の憲法では刑事手続きに関する規定を手厚くしているのです。

 三一条は、刑罰は法律の手続きによらなければ科せられないという、犯罪捜査手続きの大原則を定めています。「罪刑法定主義」とも呼ばれる原則で、何が犯罪なのかをあらかじめ法律で定め、法律を守りさえすれば個人の自由が保障され、罪を犯しても合理性を欠いた処罰は受けないルールが確立されたのです。

 米国憲法の「法の適正手続き」に由来する条文で、為政者が刑事手続きで権力を恣意(しい)的に使うことを防ぎ、人権を守るという考え方に立っています。

 自民党の改憲草案も、この条文はほぼ現行通りです。ただ、二〇一三年に成立した特定秘密保護法では、政府は特定秘密の内容を明らかにしなくてもいいのに、特定秘密を漏らした公務員らは最長で懲役十年の刑を科されます。「罪刑法定主義に反する」と指摘する意見があります。

◆自民党改憲草案の関連表記

 何人も、法律の定める適正な手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

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