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【いま読む日本国憲法】

(32)第47条 選挙の仕組み柔軟に

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 今の憲法は国会議員の選挙制度について、普通選挙や任期などの大原則以外は、法律で定めるとしています。憲法に細則まで書かないことで、時代の変化に対応して変えられるようにするためです。

 選挙区や定数は「一票の不平等」を是正するために見直すことがよくあります。最近では、衆院で定数を十減らして四六五とする改正公職選挙法が今年五月に成立。七月の参院選では「鳥取・島根」と「徳島・高知」をそれぞれ一つの選挙区に統合する合区が初めて導入されました。

 自民党の改憲草案では、四七条に「各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」との文言を加えました。草案のQ&Aは「選挙区は、単に人口のみによって決められないことを明示した」と解説しています。

 自民党は、七月の参院選の公約では「都道府県から少なくとも一人が選出されることを前提として」改憲も検討すると明記。同党には、参院議員を「全国民を代表」(四三条)する存在から「都道府県の代表」へと位置づけ直すよう求める意見もあります。

 これらは、一票の不平等があっても憲法問題が生じないようにする狙いがあるとみられ、今後の改憲論議の対象になる見通しです。

 合区の対象県などで「地方の声が届きにくくなる」と解消を求める声が根強いのは事実です。ただ、憲法で都道府県単位に固定してしまえば、時代に即して柔軟に選挙制度を変えることが難しくなります。徹底した議論が必要です。

 ◇ 

 「読むための日本国憲法 東京新聞政治部編」(文春文庫)をベースに、憲法の主な条文の解説を随時掲載しています。

◆自民党改憲草案の関連表記

 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律で定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない。

 

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