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【いま読む日本国憲法】

(38)第59条 衆院の議決を優越

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 法案は衆参両院で可決されることで成立すると定めた条文です。両院の議決が異なった場合、一定の条件を付けて衆院の議決を優先させる「衆院の優越」も規定しています。

 具体的には、衆参で異なる議決となったとき、衆院の出席議員の三分の二以上の再可決で成立。衆院議員の任期は参院議員より短く、解散もあるため民意が反映されやすいことが根拠とされています。

 五九条は、衆院で可決した法案を参院が六十日以内に議決しない場合、参院が否決したとみなす「みなし否決」も定めています。

 これらの規定は、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」で与党側の奥の手となります。二〇〇八年一月、新テロ対策特別措置法案が参院で否決され、衆院で五十七年ぶりとなる再可決によって成立しました。これを含め、〇七年参院選で与党が惨敗し、〇九年衆院選で敗れて下野するまで、再可決が多用されました。

 改憲論議では、再可決の要件を三分の二から二分の一に緩和すべきだという意見も出ました。しかし、参院は「参院の存在を否定するものだ」と反発。自民党の改憲草案も三分の二を維持することにしています。

 憲法では、予算の議決(六〇条)、条約の承認(六一条)、首相の指名(六七条)でも衆院の議決が優先すると定めています。

 ◇ 

 憲法の主な条文の解説を、随時掲載しています。自民党改憲草案の五九条は現憲法と大きく違わず、掲載を省略しました。

 

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