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【いま読む日本国憲法】

(39)第63条 首相・閣僚に国会出席義務

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 六三条は、首相や閣僚が国会で発言する権利と義務を定めています。旧憲法には義務の規定はありませんでした。

 この条文は、国会が政府をチェックする機能を果たす上で、重要な意味を持ちます。国民に選ばれた議員の要求に応じ、首相や閣僚が国会で説明する義務を果たすことで、国民が間接的に政府を監視することが可能になっているのです。

 首相や閣僚に対する出席要求は、本会議の場合は議院運営委員会、委員会なら理事会で与野党が話し合って決めます。出席要求が決まれば、原則として拒否できません。

 一方で、首相や閣僚が国会答弁のために長時間拘束されることを問題視する意見もしばしば出されます。特に自民党は出席義務の緩和を求める声が強く、改憲草案では「職務の遂行上特に必要がある場合」出席を免除されるという例外規定を加えました。

 草案のQ&Aは「特に外相などは重要な外交日程があることが多く、国会に拘束されることで国益が損なわれないようにする」と説明しています。例外を明文化すれば、首相や閣僚が野党の追及を避けたい場面で意図的に審議を欠席するなど、国会の監視機能を弱める懸念があります。

     ◇

  「読むための日本国憲法 東京新聞政治部編」(文春文庫)をベースに、憲法の主な条文の解説を随時掲載しています。

◆自民党改憲草案の関連表記

(1)内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、議案について発言するため両議院に出席することができる。

(2)内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、答弁又(また)は説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない。

 

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