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【いま読む日本国憲法】

(42)第66条 「文民」が首相・閣僚に

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 一項は、首相が内閣の「首長」で、他の国務大臣より上位にあることを規定します。この地位を確保する権能として、憲法は国務大臣の任免権(六八条)、行政各部の指揮監督権(七二条)などを定めています。

 二項は「文民条項」として知られています。日本の再軍備を懸念した極東委員会の要望をきっかけに、憲法制定の最終段階で加わりました。「文民」という言葉は当時の日本語にはなく、連合国軍総司令部(GHQ)の文書にあった「civilian」の訳語として使われました。その後、自衛隊が創設され、今では「軍隊」に匹敵する組織になっています。

 政府は、文民とは「国の武力組織に職業上の地位を有しない者」として、「自衛官は文民に当たらない」と解釈しています。つまり、現役の自衛官は首相や閣僚になれません。一方で二〇〇一年に陸上自衛隊出身の中谷元氏が当時の防衛庁長官に就き、是非を巡る議論もありました。

 自民党の改憲草案は「文民でなければならない」という文言を、「現役の軍人であってはならない」と書き換えています。「文民」の定義を巡る論争に終止符を打つ狙いとみられます。軍人と表記したのは、改憲草案が国防軍創設を明記しているためでしょう。

 三項は、内閣が国会に対して責任を負うという規定。首相と、国務大臣の過半数が国会議員の中から選ばれること(六七条一項、六八条一項)などと合わせ、議院内閣制の根拠となる条文です。

     ◇

 憲法の主な条文の解説を、随時掲載しています。

◆自民党改憲草案の関連表記

 (1)内閣は、法律の定めるところにより、その首長である内閣総理大臣及びその他の国務大臣で構成する。

(2)内閣総理大臣及び全ての国務大臣は、現役の軍人であってはならない。

(3)内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。

 

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