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【いま読む日本国憲法】

(特別編)自衛隊を憲法に明記提案 民・公の一部主張

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 安倍晋三首相(自民党総裁)が提案した、憲法に自衛隊の根拠規定を明記する改憲案。公明党や民進党内にも同様の主張があり、そうした勢力の賛同も得て改憲を急ごうという首相の思いがにじむ。一方で、九条改憲への批判は依然強い。連載「いま読む日本国憲法」の特別編として、憲法九条と自衛隊を巡る各党や一部議員の主張を整理した。

 現行の憲法九条は一項で戦争放棄、二項で戦力不保持と交戦権の否認を定めている。首相は今回、一項、二項とも維持した上で、自衛隊の存在を新たに書き込む案を打ち出した。

 改憲を党是とする自民党は二〇〇五年と一二年に、草案を発表。戦争放棄の文字は残しつつ、戦力不保持を削除し「自衛軍」あるいは「国防軍」の保持を明記したのが大きな特徴。首相は一二年改憲草案を取り下げていないが、今回の提案は草案の立場に立っていない。

 むしろ近いのは、連立を組む公明党内にある考え方。一四年衆院選では、九条一項と二項を堅持した上で、自衛隊の存在を明記することを検討するとした。一五年の安全保障関連法成立後は「もう九条は変える必要はない」(山口那津男代表)との主張を強めているが、首相は同党の理解を得る余地はあるとみている。

 民進党も、前原誠司元外相が八日発売の経済誌で、九条三項を新設するなどして自衛隊明記を主張。細野豪志前代表代行も、自衛隊を憲法で位置づけるという持論を発表している。枝野幸男前幹事長も以前、「急迫不正の武力攻撃」があった場合などに自衛権行使を限定する改憲案を発表したが、これは軍拡への歯止めを明文化する狙いだ。

 共産党や社民党は、九条の堅持を訴え続けている。

 一方、共同通信社が三〜四月に実施した世論調査では、九条改憲は「必要」49%、「必要ない」47%と拮抗(きっこう)。安倍首相の下での改憲は「反対」が51%と過半数で、「賛成」の45%を上回った。 (清水俊介)

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