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【いま読む日本国憲法】

(45)第72条 首相に省庁指揮権限

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 議案の国会提出や国会報告、行政各部への指揮監督など、首相の主な権限を定めた条文です。

 七二条で議論になるのは「指揮監督」の部分です。内閣法六条に、閣議で決定した方針に基づき指揮監督するという規定があることなどから、首相の指揮監督権は限定的なものにとどまるという解釈があります。

 一方で、この一文を根拠に、首相の指導力で各省庁をコントロールできるとの解釈もあります。

 自民党の改憲草案は、この条文の「指揮監督」に関する部分を抜き出して一項として独立させ、「その総合調整を行う」と定めました。

 草案Q&Aは、現行憲法では首相は閣議にかけた方針に基づかなければ行政各部を指揮監督できないため、リーダーシップをより発揮できるように「単独で行政各部の指揮監督、総合調整ができる」ようにすると解説しています。

 大阪市の学校法人「森友学園」の問題では、行政各部が安倍晋三首相や妻の昭恵氏の思いを「忖度(そんたく)」したのではないかと取り沙汰されています。憲法で首相の指揮監督権を強くするまでもなく、首相の力は十分大きいという気もします。

 また、自民党の改憲草案は七二条三項で、首相が「最高指揮官として、国防軍を統括する」との規定を加えました。草案は九条の二で首相が国防軍の最高指揮官と定めましたが、職務としても位置付けたものです。草案Q&Aは、首相は「閣議にかけないで国防軍を指揮することができます」と強調しています。

 ◇ 

 憲法の主な条文の解説を、随時掲載しています。

◆自民党改憲草案の関連表記

(1)内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督し、その総合調整を行う。

(2)内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、並びに一般国務及び外交関係について国会に報告する。

(3)内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する。

 

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