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【御料牧場の四季 皇室の農を探る】

[第1回](中)夏野菜の収穫 宮中行事へ丹精栽培

大きく育ったキャベツの収穫作業をする農産課の職員。さまざまに調理され皇室の食卓を飾る料理の素材となる=栃木県高根沢町の宮内庁御料牧場で(市川和宏撮影)

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 キャベツ、ニンジン、アスパラガス、タマネギ−。牧草地が広がる御料牧場の中心部に、約一ヘクタールの「そ菜ほ場」がある。牧場の敷地約二百五十二ヘクタールのごく一部にすぎないが、皇室に提供する野菜など約二十種類を栽培する。滞在される皇室の方々が、作物の出来を尋ねたり収穫したりすることもあるという。

 細かい区画ごとにさまざまな野菜が作付けされる。近くに生息するハクビシンなどの野生動物に荒らされないようフェンスで囲われている。温室の中ではトマトやパセリが育つ。

 畝(うね)の一角で丸々太ったダイコンが頭をのぞかせる傍ら、直径三センチほどの細いダイコンもある。宮中行事で使うためで、植える間隔を狭くして意図的に成長を抑えている。細いダイコンは葉を付けたまま出荷する。

 別の畝には大きさの違うキャベツが並ぶ。出荷期間を長くできるように種をまく時期をずらした。ネギは九月に収穫するものが三十センチほどに伸び、冬用はまだ十センチにも満たない。

 夏はキャベツなどの葉物野菜やトマト、タマネギ、ジャガイモを収穫する。「特別な品種を育てているわけではありません」と農産課長の鈴木一之さん(57)。ジャガイモなら、おなじみのキタアカリやメークインなどだ。

 出荷は毎週三回。皇室でお茶会などの特別な行事がない限り、一回の量はその日朝に収穫した作物が各種数個ずつと、ごく少量という。(小川直人)

 

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