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【背信の根 検証・森友問題】

(5)官僚、必死の隠ぺい工作 財務省はごみ過大積算に危機感?

学校法人「森友学園」が小学校建設を目指していた大阪府豊中市の国有地

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 大阪府豊中市の名神高速道路・豊中インターチェンジから北東へ約七百メートルの住宅街。森友学園の前理事長 、籠池(かごいけ)泰典被告(65)が小学校建設を目指した国有地がある。計画が頓挫し、土地は国に戻った。ほぼ 完成していた校舎と土砂の山が残ったままになっている。

 近畿財務局は土地の売却にあたり、地中のごみの総量を約二万トンと推計、撤去費用約八億二千万円を差し引い た。ところが昨年二月、国会で野党から追及されると、財務省理財局の幹部らは危機感を募らせた。

 「八億円かけて残土を搬出し、きれいな土を入れるとダンプカー四千台分にもなる。実際に工事をやったか確認 しているのか」。質問の四日後には野党議員の現地視察を控えていた。

 「理事長らの発言次第では国会審議がさらに混乱しかねない」。当時の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(60) らが協議し、部下に学園の顧問弁護士に相談するよう指示。職員は電話で「トラック何千台も走った気がするといった 言い方をしてはどうか」と口裏合わせを持ち掛けたが、学園側は応じなかった。

 国有地の近くに住む元豊中市議の乗光恭生さん(78)は校舎が出来上がっていく様子を見続けてきた。「実際 のトラックは百台もなかったのではないか。業者が大量のごみを搬出していれば分かったはず」と話す。

 官僚の隠ぺい工作に学園が応じたとしても、ウソはすぐにばれた可能性が高い。そうまでして虚偽の答弁を通そ うとしたことが発覚すると、世間に驚きや怒りが広がった。

 もともと国有地には水道管やコンクリート殻などの埋設物があり、学園側で撤去工事を実施したところ、新たに ガラス片などが見つかった。財務局は処分費用を抑えるため、校舎建設に支障のないごみは埋め戻すよう工事業者に求 めたが、そのことを学園側に伝えなかったため、激しい怒りを買うことになった。

 一六年三月、くい打ちの最中に地中からごみが見つかり、籠池被告の妻諄子(じゅんこ)被告(61)は「ごま かさないですぐに対応しろ」と激高。学園側は損害賠償をちらつかせながら安値売却を要求した。籠池被告は本省や財 務局に「六月の棟上げ式には総理夫人を招待するスケジュールを組んでいる」と安倍晋三首相(63)の妻昭恵氏(5 6)の名前を挙げ、早期売却を迫った。

 財務局は結局、地下三メートル以深にもごみがあったとして八億二千万円もの値下げに応じた。財務省が国会の 追及をかわそうと、学園側になりふり構わず口裏合わせを持ち掛けたのは、ごみの積算が過大だったことを隠そうとし た疑いが強い。実際に会計検査院は「積算根拠が不明」と指摘した。

 学園側が実施したボーリング調査では、およそ地下三〜十メートルは、約一万八千年前の最終氷期以降に堆積し た「沖積(ちゅうせき)層」であることが分かっていた。工事に関わった関係者は「地下九・九メートルは原始時代の 地盤ではないか。そこにごみはないと思う」と言って続けた。

 「国は土地を安値で売るために、つじつま合わせをしたかっただけでしょう」

(2018年7月5日)

 

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