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【権力の内幕 検証・加計疑惑】

第1部(4)下村文科相に接近 パー券代取りまとめ

下村博文事務所の日報には、加計学園がたびたび登場する

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 首相の安倍晋三(63)が二〇一二年末に政権を取り戻すと、側近の下村博文(64)は大学の認可権限を持つ文部科学相に就いた。取材班が入手した一四年の下村事務所の日報からは、加計(かけ)学園が繰り返し接触してきたことが浮かび上がる。

 「ご留任おめでとうございます。お祝いをしたいと思います」。一四年九月、内閣改造で下村が文科相に再任されると、学園は下村事務所にお祝いを伝えた。学園からの陳情を事務所が文科省につないだ形跡もある。日報には「事務方を通じてお願いをいたしました」との報告がある。

 学園理事長の加計孝太郎(67)は下村夫人とも縁がある。広島加計学園が〇六年、米国の学校と提携した際、夫人は米国で調印式に参加。一三年からは学園の教育審議委員になっている。

 昨年六月には「加計マネー」の存在も明らかになった。下村を支援する政治団体「博友会」が一三年と一四年、加計学園からパーティー券の代金として百万円ずつ受けたのに、政治資金収支報告書に記載していなかったと週刊誌が報じた。

 政治団体は一回のパーティーで、個人や企業から二十万円を超える支払いを受けた場合、相手の名前や金額を収支報告書に記載しなければならない。博友会は一三年十月に九百八十四万円、一四年十月に千九百四十九万円のパーティー収入を計上しているが、学園の名前はなかった。

 下村は会見を開き、百万円は加計学園の秘書室長が「十一の個人と企業から預かったもの」で、いずれも二十万円以下だから記載の必要はないと説明した。学園も下村に呼応するように「当学園と関係のある個人や会社の合計十一名のパーティー券代」と報道機関にファクスを送った。

 本紙が入手した「パーティー入金状況」というリストには、両年とも加計学園の名前と百万円の入金が記されている。全体では学習塾や教材会社が一枚だけ買っているケースが多く、百万円は際立つ。

 文科省は〇三年の告示で獣医学部の新設を規制していた。構造改革特区で獣医学部を開設したいという愛媛県と今治市の申請にも厳しい意見を出し続けた。学園が下村に接近した一四年も省内の空気は冷ややかなままだった。

 「今治市側に何度言っても、規制に穴を開けるような説得力ある提案はされなかった」と当時の文科省幹部。それが一五年に入ると、実現に向け、大きく動きだすことになる。 (敬称略、肩書は当時)

(2018年8月14日)

 

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