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【東京】

出題の傾向と解説

2008年2月24日

■国語

 大問五題、小問計二十五題の出題構成は例年通りである。

 大問1、2の漢字は基本的なものであるが日常の使用頻度が低い「梅林」「予兆」などについては語彙(ごい)力も問われることになる。

 大問3は少年たちの交流を描いた小説からの出題。表現の特徴や人物の心情・様子を問う問題が中心で、いずれもオーソドックスなものである。問5には登場人物の立場に立って「話す言葉」を書く問題が数年ぶりに復活。文章に即して人物像をとらえるだけではなく、適切な話し言葉で簡潔に表現する力も要求される。

 大問4の説明的文章は論理の把握が難しい。小問自体は一般的なものだが、論理構成を問う問2などは特に本文の正確な読解が要求される。長文記述の問5は「地球の将来」という大きなテーマを、自分とのかかわりにまで具体化して意見を述べる力が問われる。

 大問5では「徒然草」が出題された。語意を問う問題や文章を読み比べて文意をとらえる問題に加えて指定語句による短作文の問題もあり、総合的な問題となっている。

 全体としては言語能力を幅広く問う問題となっているため、日常的な学習へのしっかりした取り組みが求められる。

 (杉並区立荻窪中学校 宮城洋之教諭)

■数学

 問題の構成は、大問五問、小問十九問で、例年通りである。

 大問1は、それぞれの領域の基礎的・基本的な知識・理解や、表現・処理に関する能力をみる問題で、数・文字式・ルートの計算、一次方程式、連立方程式、二次方程式、確率、図形の角度、作図の計九問が出題され、いずれも基本的な問題である。

 大問2は、内容としては整数の性質を扱っているが、事象を数理的に考察する能力や文字式を用いてその推論の過程を的確に表現する能力をみる問題である。

 大問3は、関数についての問題。基礎的な知識・理解をみるとともに、論理的な考察力をみる問題である。

 大問4は、三角形の性質についての知識・理解をみる問題で、問2の(1)は、三角形の合同を証明させる問題である。(2)は、三平方の定理や相似を利用して、線分の長さを求める問題で、多面的な見方が必要な問題である。

 大問5は、空間図形に関する問題で、点の動きとともに三角形がどのように変化するか、図形に対する直観的な見方や考え方をもとに、論理的に考察し処理する能力をみる問題であり、同時に確実な計算力を必要とする問題である。

 (渋谷区立本町中学校 中西知真紀教諭)

■英語

 大問数は昨年と同じく四題で、問題構成も昨年と同じである。

 大問1は、「聞く力」をみる問題。問題Aは、対話文、問題Bはニュース番組の設定で、特定の情報を聞き取れているかをみている。質問文を理解した上で情報を聞き取り、解答を英語で書くという複合的な能力が問われている。

 大問2は、グラフや学校の掲示物の情報をもとに答える問題、スピーチの主題を答える問題、自分の考えを英語で書く問題である。グラフは「東京における土地利用の割合」で、身近にある題材を取り上げている。書く問題では、「将来取り組んでみたいこと」をテーマとしている。普段から、まとまりのある英文を書く練習をすることが大切である。

 大問3は、対話文の内容が理解できているかをみる問題。選択肢の英文が本文と異なる表現を用いているものもあり、読解力をみる、よい問題である。

 大問4は、野球少年が一人の少女との出会いにより大切なことを思い出し、成長していく物語。物語の内容や展開が読み取れているかをみる問題である。英問英答は、答えになる表現を物語の中から見つけることができれば、解答できるだろう。

 全体として、話し手や書き手の意向を理解するなどの、コミュニケーション能力をみるためのよい問題である。

 (練馬区立中村中学校 大森博教諭)

■理科

 大問六題、小問二十二題という問題構成、大問ごとの小問数などは例年通りである。大問1は各学年や領域から単発の出題で構成、大問2は物語性を持ち、複数領域にわたる総合問題である。大問3から6は、物理、化学、生物、地学の四領域から小問三題ずつの構成になる。言葉や文章で解答する問題が七題、作図が一題でこれも昨年並みである。昨年は二年で学習した内容からの出題が多く、今年は一年からのものが多い。四領域でみると平均している。

 出題傾向が二〇〇六年から変わり、今年も受け継がれている。それは、思考力の重視や知識を活用して解く問題への転換である。基本的事項を問う大問1ですら、知識をあてはめるだけでは答えが出ない。

 各領域からの大問は観察、実験を主体とする出題で、問題の文章量が多く、読解力を試される。何を問われているのかを押さえ、提示されている結果を分析しないと解答が導き出せない。もっとも、理科の学習で観察、実験を行うだけでなく、結果を考察してまとめていくという学習を重ねていれば、戸惑うことなく解答できるだろう。

 新学習指導要領案では目標に「科学的に探究する能力の基礎」「観察、実験結果を分析して解釈し」などが提案されている。今回の出題はこれを先取りしているともいえよう。

 (世田谷区立梅丘中学校 江崎士郎教諭)

■社会

 大問六題、小問二十題の出題で、出題傾向や出題形式に大きな変化はない。

 大問1は、各分野の基礎・基本事項を問う問題。

 大問2は、太平洋を取り囲む地域を題材とし、基本的な資料の活用(地図やグラフなどの読み取り)と、考察する力を問う問題。

 大問3は、水を題材にし、日本の地域の特色を、資料を活用して自然や産業の面から考察し、適切に表現する問題。しかし、問3は、地形の違いに着目した場合、3・4のような資料が最適であったかどうか、疑問が残る。

 大問4は、道路を題材とし、日本における古代から近代までの基本となる歴史的事象について、資料を活用し、考察・表現する問題。

 大問5は、労働を題材とし、公民的分野の基本的な事項の確認と、資料を活用して考察・表現する問題。

 大問6は、技術革新を題材とし、歴史・地理・公民を関連づけた現代社会に関する総合的な問題。

 基礎・基本の重要性を痛感するとともに、問題文や資料が例年多くなっているので、根気よく読み取る力や、適切に表現する力を身に付けさせる必要がある。そのためにも課題解決型の授業が有効であると考える。

 (足立区立第四中学校 山田勝之教諭)

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