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【東京】

都立高入試 採点ミス4人追加合格 昨年分も点検、判定へ

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 今春実施された東京都立高校の入試で大量の採点ミスが見つかった問題で、都教育委員会は十八日、本来は合格なのに不合格とされた四校の四人を、全員追加合格とすることを決めた。四人は既に別の高校に通学しているため、本来合格していた学校への転学は本人の希望を優先する。

 過去の入試でも採点ミスの見逃しのおそれがあるため、都教委は一年前の入試の答案の再点検を指示しており、合否にかかわるミスが判明した場合には同様に追加合格にする。対象の生徒の転学受け入れや慰謝料の支払いも検討する。ただ、答案の保存期限は一年で、既に廃棄した学校もあるという。

 この問題では、二、三月に行われた入試で、四十八校で百三十九件の採点ミスが判明。都立高入試の採点ミスがこれだけの規模で見つかったのは初めて。受験者には採点結果を通知しており、ミスがあった受験者には今後、正しい点数をあらためて知らせる。

 都教委の定めでは、一人の教員が答案を採点後、別の三人の教員が確認する仕組みになっていて、採点者と確認者が分かるよう、担当した教員は答案用紙に印鑑を押す。今回採点ミスが見つかった学校では今後、担当教員から聞き取りをして原因を調べる。

◆単純間違え…都教委「原因分からず」

 正答と誤答の取り違え、合計点の足し算の間違い。都教委が説明した採点ミスの内容は、あまりに単純だ。複数の教員がチェックする仕組みのはずなのに、なぜ大量のミスが見逃されたのか。結果は子どもの一生を左右しかねないほど重い。

 「原因は分からない」「実態を詳しく調べたい」。十八日の都教委の記者会見では、ミスの原因や、四人の教員が採点結果を確認する体制が形骸化していなかったかなどに質問が集中。担当者は曖昧な答えに終始し、過去の入試でも採点ミスがあったのではないかと問われると、「否定できない」と厳しい表情を見せた。

 都立高入試では昨年にも、墨田川高(墨田区)で採点ミスがあり不合格とした生徒を合格にした事例がある。このとき使われた入試問題は学校独自に作成されていたため、都教委はすべての都立高での再点検はしなかった。

 今回は端緒となった採点ミスが、多くの学校で使われる共通問題で見つかり、大規模なミス発覚につながった。

 採点ミスがあったある都立高の校長は「都教委の指導通りに、少なくとも四人で採点を確認した。採点用の部屋にこもり、集中して作業していた」と話す。しかし別の学校の現職教員からは「授業の合間に採点しているので、疲れ果てて頭がボーッとする」との声も聞かれる。

 教育評論家の尾木直樹さんは「四回確認してミスが見つけられないなら、五回やっても無理。都教委ではつかみにくい背景も含めて、第三者に原因を分析してもらうことが必要ではないか」と話す。

 都教委は、本来は合格だったはずの生徒の保護者に謝罪を始めた。都教委によると、事実を明かされた保護者は「本当のこととして受け入れられない」などと、戸惑いが強い様子だという。

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