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【東京】

問題の解説

◆国語

 大問五題、小問二十五題の出題構成は例年どおり。だが、例年二題出題されていた記述式のうち、文学的文章における心情をまとめる設問がなくなった。

 大問1、2はいずれも基本的な漢字の読み書きの問題だ。ただし「拭い」「憩い」のような和語は語彙(ごい)力、また、「券」「降」などの漢字は楷書で正しく書くことが求められている。

 大問3は小二の純也と謎の少女との交流を描いた小説からの出題。戸惑い、反発しながらも少女の言葉に素直に反応する様を読み取りたい。言葉、行動、表情、態度、情景描写などから人物の心情を問う問題が中心である。

 大問4の説明的文章は「書の芸術性」について書かれた文章。文章構成や内容理解などを問う基本的な問題が中心である。問5は自分の具体的な体験や見聞を生かして「基本」について発表するもので、自分の考えを論理的に表現する力が問われている。

 大問5は「枕草子」に関する講演記録と原文、その現代語訳からの出題。歴史的仮名遣い、語句の意味、現代文の内容や文の役割を問うなど、総合的な問題となっている。

 全体としては、広い範囲にわたって総合的、かつ基礎的な国語力を問われている。日常的な学習にしっかり取り組み、基礎力を養いたい。 (世田谷区立梅丘中学校 白石典子主幹教諭)

◆英語

 大問四問、小問二十三問の問題構成は例年通りである。ただし、記述による解答形式の問題数が減っている。

 大問1は、問題Aが身近な話題についての会話を聞く、問題Bがスピーチを聞く問題。放送される質問文を正しく理解し、必要な部分を聞き取る力が求められている。問題Bでは、聞き取りの力に加え、解答を英語で書くという複合的な力が必要である。

 大問2の1、2は、対話文を読み、空所に適する語句を図表から判断して答える形式。複数の情報を統合させて課題を解決する力が求められている。3はEメールの内容を読み取る問題と、「日本を訪れた人が日本で楽しんでほしいこと」について自分の考えを英語で表現する問題。後者では、理由を含めた三文で構成し、正しい英文を書く力が必要である。

 大問3は四百語程度の対話文、大問4は六百語程度の物語文である。両問ともに、文章の概要を理解し、設問で問われている部分を正しく読み取る力が求められている。語数が多いため、文章を速く読み進め、内容を理解する力も必要である。

 全体として、知識を総合的に活用し、話し手や書き手の意向を理解する、自分の考えを表現するなどのコミュニケーション能力が必要とされる問題となっている。 (千代田区立九段中等教育学校 本多敏幸指導教諭)

◆社会

 大問六題、小問二十題の問題構成は例年どおり。本年度から論述させる問題が四つから三つに減り、記号で答えさせる問題はマークシート方式に変わった。

 大問1は三分野の基礎事項を問う問題。時差を扱う問題に工夫が見られた。

 大問2は世界地理。地図や統計など複数の資料を組み合わせて解く良問。出題範囲は世界の諸地域、六州すべてに渡り、雨温図は南半球のものが出された。

 大問3は日本地理。地図や統計、文章等の資料を正確に活用する能力を問う問題。地形図の読み取りはここで出題された。

 大問4は歴史。「交通」をテーマとして年表などの資料を考察して解く問題。時代順に並べ替える問題は二つから一つに減った。

 大問5は公民。財政や社会保障など、時事的な内容を扱い、論述の問題も出題された。

 大問6は三分野を融合した問題。森林に関連する地図や統計・グラフ、年表などを考察させた。

 全体を通して、学習指導要領の趣旨を踏まえ、今年も各種資料の活用や考察を重視する作問であった。地図や統計、年表、文章など多様な資料を、短時間で正確に読み解く力や、適切に論述する力が求められている。今後も社会科の授業では基礎的な知識や技能の習得と、各種資料の活用、思考力や判断力を培う探求的な学習が大切である。 (板橋区立高島第二中学校 山岡裕基子主任教諭)

◆数学

 大問五問、小問十九問の構成で、例年同様である。

 大問1は、各領域の基礎的、基本的な事項についての知識、理解および数学的な技能を問うものである。正負の数、一次式、平方根、一次方程式、連立方程式、二次方程式、相対度数、円周角の定理、正方形の作図の九問が出題された。

 大問2は数学的活動の場面をもとにした出題で、九九表から見出した性質についての問題。問1は指定された条件を満たす囲み方を数え上げる。問2は九九表の性質について考察したことを、文字を用いて的確に表現する力が求められる。

 大問3は関数y=ax2(xの2乗)のグラフを用いた問題。問1は二点を通る直線の式を、問2は変域を求める。問3はグラフと三角形の面積の融合問題。点Pのx座標を文字でおき、△AOPと△CBPの面積を表現することがポイントとなる。

 大問4は、平行四辺形の性質及び三角形の相似や面積比についての問題。問1は平行四辺形の対角の性質を利用する。問2(1)は平行線の性質を利用した三角形の相似の証明。(2)は平行線と比の性質を利用し、三角形の面積について考える。

 大問5は空間図形の問題。問1は、展開図をかけば分かりやすい。問2は、底面が△ABCで高さ18センチの三角錐(すい)を考え、立体Q−BPNM以外の部分の体積をひけば求められるが、やや複雑な思考を要する。 (荒川区立尾久八幡中学校 蓮沼喜春主任教諭)

◆理科

 大問六問、小問二十五問の構成や、物理・化学・生物・地学の内容をバランス良く組み合わせた出題に変化はない。

 大問1は複数の基礎知識を組み合わせて答えを選ぶ問題と、基本的な計算。大問2は日常生活に関連した四つのレポートから、それぞれに設定されている小問に答える。大問3は月と金星の位置関係や見え方を問う問題。観察の条件や結果の整理・統合や解釈を求められる。授業で扱う類似問題の経験が生きる。

 大問4の小問4は遺伝の規則性の理解をもとに、将来の出現率を推測させるように工夫されている。大問5では水の電気分解と中和の実験が出題された。小問1、2は実験操作と基礎知識、小問3は基本的な化学反応式の記述。小問4は中和反応で消費される水素イオンの量を表したグラフを選ぶ問題である。

 大問6は連続して出題されている電気についての問題。小問1、2は電流計の操作と消費電力を求める問題。小問3は直列と並列それぞれの回路を流れる電流と、実験結果を突き合わせてドライヤー内部の回路を考えさせている。小問4はエネルギーの移り変わりを答える。

 いずれも基礎・基本を中心に出題されている素直な問題で、難問はなく、日ごろの授業を大切に学んでいれば怖くない。 (杉並区立高井戸中学校 山口毅主幹教諭)

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