東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 89回大会 > 千葉 > 記事

ここから本文

【第89回全国高校野球選手権大会(2007)・千葉】

<熱球譜>千葉日大一3年 土橋弘明投手 敗れて知る仲間の信頼

2007年7月24日

試合後、応援団にあいさつする千葉日大一・土橋弘明投手

写真

 1点リードで迎えた延長十回裏、千葉日大一の土橋弘明投手(三年)が先頭打者を右飛に打ち取った。千葉経大付を下す金星まであとアウト2つ。「勝てる」

 気の緩みを招く“欲”だった。直後に投球が乱れ連続四球。続く菅生祐太選手(三年)にはフルカウントからの6球目を左前に運ばれ同点。さらに走者一、三塁。土俵際に追い込まれた。

 エース飯田翼投手(三年)への継投策もあったが、「おれが投げる」と主将の橋口幸太捕手(三年)に伝えた。油断した気持ちを鼓舞した。

 我孫子との3回戦では逆転された八回裏、なお二死満塁で登場した土橋投手が後続を断った。この勢いでチームは九回に追いつき、十回に再逆転して勝利している。

 もちろん飯田投手も投げたかった。それでも、「何度も窮地を救ってきた土橋を信じる」と思いを託した。稗田徹監督は続投を決意した。

 満塁策を選び、迎えた代打・須谷勇斗選手(三年)への3球目、渾身(こんしん)の直球は狙いよりボール一つ分真ん中にずれた。快音が響いた後は、下を向いていて打球は見えなかった。

 敗れて泣き崩れる土橋投手にナインが声を掛けた。「よく投げてくれた。ありがとう」。信頼してくれた仲間の存在を実感して、こう思った。「悔しい。けれど、うれしい」 (武田雄介)

 

この記事を印刷する

PR情報

記事一覧