東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 89回大会 > 西東京 > 記事

ここから本文

【第89回全国高校野球選手権大会(2007)・西東京】

<熱球譜>日大三3年 黒崎陽平主将 一球の重み 仲間に伝え

2007年7月30日

写真

 「一球に悔いを残すな」。日大三の主将・黒崎陽平捕手(三年)は、疲れもあって、制球がままならないマウンドの宮田貴裕投手(同)にこう声をかけた。今大会、初めてのマスクを託された五回からの守備。失策がらみなどでその後も点を失ったが、何とか踏みとどまった。「調子が百パーセントではない中で、抑えてくれた」

 黒崎選手は昨秋は正捕手だったが、今春から四番打者でもある二年生の岡翔太郎選手に明け渡していた。今大会、準々決勝まで一度も出番は回ってこなかった。だが「試合に出たい。でもチームが勝つためにはあいつが必要だ」と自分を納得させ、ベンチで声をからしてきた。

 「試合に出ている選手は全力でやらなければいけない」。常にそうハッパをかけてきた。宮田投手にかけた言葉もその思いを込めていた。自分が裏方に徹してきただけに、一投一打の重みをかみしめさせたかった。

 試合は結局、追いつけなかった。終了後のダッグアウトでは仲間たちが号泣し、嗚咽(おえつ)がやまなかった。黒崎選手は声を響かせた。「もういいから。頑張ったろ!」。特に後輩に向かってこういった。「おまえらがこれから引っ張っていくんだろ!」

 ベンチ入りメンバーの9人は一、二年生。「自分たちの敗戦を、次につなげてほしい」。雪辱を後輩に託した。 

  (原昌志)

 

この記事を印刷する

PR情報

記事一覧