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【第89回全国高校野球選手権大会(2007)・西東京】

<熱球譜>八王子3年 川嶋大介投手 痛み止め飲み“奮投”

2007年8月1日

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 最初で最後の夏の大会。思いの丈をぶつけるように投げ込んだ128球。大会屈指の本格派右腕に勝利の女神はほほえまなかった。

 練習になじめず一年の途中で転校。高野連の規定で一年間は公式戦の出場はできない。ひたすらマウンドに立てる日を夢見て、家に帰ってからも練習に打ち込んできた。

 しかし、大会直前になって腰を故障、キャッチボール程度の練習しかできず、一時は出場も危ぶまれた。「なんとしても投げたい」。痛みを押して2戦目から登板。決勝戦も痛み止めの薬を飲んで臨んだ。

 本来の球速には及ばないものの変化球を交えながら力投を続け、七回を終わって3対3の同点。「先に点を取られたくない」と無意識のうちに力が入った。八回裏、4番の大島隆宏選手へ外角に投じたスライダーが甘いコースに。無情にもバックスクリーンに吸い込まれた。

 張りつめていた糸がプツッと切れた。「この回を早く終わらせなければ」。投げ急ぐあまり2点、3点と傷口を広げた。

 「決勝まで来られたのはみんなのおかげ。踏ん張らなければいけないところで踏ん張れなかった自分が悔しい」。表彰式で優勝旗が相手校に渡されると、こらえていた思いが涙とともにこぼれ落ちた。 

  (中沢誠)

 

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