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【第90回全国高校野球選手権大会(2008)・千葉】

<熱球譜>父と甲子園 かなわず涙 銚子商3年・斉藤之将選手

2008年7月22日

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 父子で甲子園に行く夢は終わった。0−1の九回表二死二、三塁、銚子商・斉藤俊之監督の長男之将選手の打球は力なく二塁に転がり、頭から一塁に飛び込んだが一歩及ばなかった。顔をうずめ地面をこぶしで力いっぱいたたくと、涙があふれた。

 三年間父子関係を忘れ「監督と選手」の立場を貫いた指揮官でさえ、最後の打席に之将選手が立ったことに「運命を感じた」。試合後「今までよく頑張ってついてきた。何とか打ってほしかった」と声を詰まらせた表情は父親そのものだった。

 之将選手は中三の二〇〇五年夏、甲子園で指揮を執る父の姿を見て進学を決意。「父さんと甲子園に行きたい」。之将選手の祖父で銚子商を“黒潮打線”と恐れられる強豪に育てた名将一之さん=享年(60)=の下で甲子園に出場した父と同じ道を選んだ。

 家でも「父さん」と呼ぶことが許されない生活。監督の息子と注目されることも覚悟の上だった。誰にも文句を言わせず試合に出るために歯を食いしばった。池永光則主将は「斉藤がチームで一番練習していた。だからみんな信頼していた」と振り返る。

 夢にかけた思いが大きいほど、悔し涙も多くなる。チームの中で最後まで大泣きしていたのは、之将選手だった。 (武田雄介)

 

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