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【第90回全国高校野球選手権大会(2008)・栃木】

<熱球譜>雪辱への気負い焦りに 宇都宮南・山井佑太投手(3年)

2008年7月26日

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 信じられなかった。再び甲子園のマウンドに立つ夢があっけなく崩れ去ったことに。

 試合当初から感じていた違和感が現実化したのは四回。得意の外角直球がすっぽ抜け打者の右股を直撃。だが原因が分からない。「このままじゃダメだ」。焦りは雪辱への気負いとともに膨らみ、押し出し失点を含む7与四死球に。これまでの5試合をわずか与四死球3、失点2に抑えた抜群の制球力はついに戻らなかった。

 今までどんな危機にも冷静さを取り戻してきた。元実業団のソフトボール選手で心理療法士の母・砂織さん(40)から毎晩のように精神的、技術的な助言をもらっていたからだ。決勝前日も一緒に試合のビデオを見ながら「いつも通りやる」と誓ったが、その言葉も頭をかすめなかった。

 「大事(大丈夫)だよ、かあちゃん」。スタンドで見守る砂織さんは、この日の朝に息子が見せた満面の笑みを思い出した。「ゆっくり休んでね。この悔しさをばねに強くなって」。そう言ってグラウンドで号泣するエースにほほ笑んだ。 (小倉貞俊)

 

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