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【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・西東京】

<ヒーロー>鍛え上げた精神力 早実3年 鈴木健介投手

2010年7月27日

日大鶴ケ丘打線を相手に完封勝利した早実・鈴木投手

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 日大鶴ケ丘の三田一徳選手のバットが空を切り、早実の優勝が決まった。直後に灰色の空から雨がポツリ。誘われるように完封した鈴木健介投手の目から涙があふれた。「去年の秋から自分のせいで負けて、苦しかった。それを思い出した」

 昨秋の大会で負けてから野球ノートを毎日書いている。誰にも見せず、自分をさらけだす相手だ。読み返すことで、「抑えよう」という気持ちが強すぎ、練習で妥協している点に気付く。苦しい練習を自ら望み、体と心に強さが育った。

 決勝の五回2死一、二塁。中堅へ抜けるゴロに右足が出る。打球は一塁手の前に転がり、そのままベースを踏んでアウトに。「反射的に足が出た。甲に当たり少し痛かったが、投げる間は感じなかった」。抜ければ1点の当たり。とっさのプレーと、鍛え上げた精神力が完封を導いた。

 表彰式でようやく鈴木投手の顔に笑みが浮かぶ。試合中は“リベンジ”を意識しなかったが、思い出すのは2年前、同じ日大鶴ケ丘との決勝。鈴木投手も登板して敗れ、優勝校インタビューや胴上げを見て悔し泣きした。

 だがこの日の涙は別のもの。次の目標は「全国制覇し、4年前のように早実の名をとどろかせる」と鈴木投手。野球ノートでは初めて、自分の投球を褒めるつもりだ。 (梅野光春)

 

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