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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・茨城】

<熱球譜>監督も信頼 精神的支柱 茨城キリスト3年 渡辺祐人捕手

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 9点差がついた五回裏、2死一、二塁。構えたミットに球は収まらず、相手の鋭い打球が中堅へ抜けた。コールド負けが決まるとマスクを外し、本塁上で立ち尽くした。

 一年の時から同級生は5人だけ。30人近い後輩がいるチームをまとめるのは難しかった。それでも後輩ばかりの投手陣を「良いもの持ってんだから思い切って投げろ」ともり立て続けた。中田裕二監督も信頼を寄せる精神的な支柱だった。

 同級生への思いも強い。四回に二塁打を放ち、石井貴大選手(三年)の適時打で自ら本塁を踏むと「三年がかえしてくれて本当にうれしかった」。控えの三年生2人も、1人が代打で出場し、残り1人も六回に打席に立つ予定だった。強豪相手だが、五回の最後となった打者を打ち取ることができれば、次の回に回るはずだった。

 「悔いが残らないはずがない。(三年生を)出させてあげたかった」「こんな頼りない捕手だけど信じてくれた」。ベンチに戻るとさまざまな思いが込み上げ泣き崩れた。声を震わせながら「頑張れよ。負けんなよ」と優しく後輩の肩をたたいた。

  (近藤統義)

 

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