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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・茨城】

<熱球譜>「あと一球」 止まらぬ涙 霞ケ浦3年 山口拓哉投手

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 3球で相手打者を追い込んだ。九回2死一、三塁。あと1ストライクで甲子園にたどり着けるはずが、連打を浴びてサヨナラ負け。マウンドに膝から崩れ落ち、立ち上がれない。表彰式で準優勝のメダルをかけられても号泣した。

 六回途中から3番手でマウンドへ。「球が切れていなくて、気持ちで抑えるしかないと思った」。打者を打ち取るごとに雄たけびを上げた。高橋祐二監督は「あんな姿は初めて見た。緊張感に負けないように自分を奮い立たせていたのだろう」と話す。

 仲間の思いを背負っていた。投手陣の柱が大会前に肘を故障しベンチ入りメンバーから外れた。この日、2番手の伊藤雄太投手(三年)は不調で2イニングを投げられなかった。「伊藤とは苦しいときに助け合ってきた。自分がみんなを甲子園に連れていくしかない」

 神経を使う接戦で既にスタミナをすり減らしていた。「最後は余力がなくて足が思うように動かなかった」。限界だった。

 悔しさと情けなさと申し訳なさと。「あと一球だったのに」。ベンチ裏に下がっても涙は止まらなかった。 (永山陽平)

 

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