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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・栃木】

<熱球譜>エースの責任感 最後まで 君島 陸投手(宇都宮商3年)

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 10点をリードされ迎えた最終回。レフトから再びマウンドに上がったのは、エースの責任感からだった。しかし「0点に抑えて反撃のきっかけに」との思いはむなしく2失点。試合終了後「最後まで力を出し切れなかった」とうなだれた。

 準決勝まで再試合を含む3連投。3日連続の雨天順延で疲労は取れたが、決勝は硬くなった。三回、力んで甘く入った直球をソロ本塁打されると、四、五回には集中打を浴びて7失点。「甘い球を積極的に打たれた。最後まで(通しで)投げたかった」と悔しがった。

 昨年夏、二年生投手として初戦敗退した悔しさをばねにこの1年間、心身を鍛えてきた。1年前、54キロだった体を毎夕食に米2合を食べるなどして70キロに増やし、球威とスタミナをつけた。すべてはエースの自覚ゆえだった。

 吉田将捕手は「ひたむきに練習する姿でチームを引っ張ってくれた」と感謝する。金子安行監督も「ピンチに動じず、精神的にも成長した」とねぎらった。

 しなやかな腕の振りで決勝まで7試合、923球を投げ抜いた。試合中、仲間を笑顔で引っ張ったエースの目に涙が浮かんだのは試合後、応援席の前。「大勢の人の期待に応えられなかったと思ったら泣けた」。それでもこれまでの努力に悔いはない。「来年、この悔しさは後輩に晴らしてほしい」。期待を託して球場をあとにした。 (松平徳裕)

 

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