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【第94回全国高校野球選手権大会(2012)・千葉】

<熱球譜>成長見せたスクイズ 流山おおたかの森3年・栗原成記選手

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 弱気な自分の背中をグイと押すようなスクイズ。「完封で終わらせたくなかった」。三回、1死三塁。接戦をくぐり抜けてきたノーシードの意地が、1点をもぎ取った。

 「僕はもうだめです。使わないでください」。2回戦、6点リードで迎えた九回。圧勝で終わらせるはずが、投手陣が乱れて3打者連続四球。一気に無死満塁に。動揺して足が思うように動かない。遊撃手の自分の失策で2点を奪われた。「自分が守備にいたら、負けてしまう」。長倉伸一監督に交代を申し出て、ベンチに下がった。

 「逃げ腰だった」という自分を変えたのは、3回戦。試合中、大塚淳司左翼手(三年)が左足を骨折。完治には早くても3週間かかる大けがだった。家が近所で、練習後は一緒に帰宅していた仲間の離脱。「3週間なら甲子園に間に合う。死ぬ気で戦うんだ」という長倉監督の鼓舞に、「淳司の分まで戦う!」と気力がよみがえった。

 夏の大会直前の成績は3勝15敗。勝負強さとは縁遠いチームだった。「試合を重ねるたびに、別人のようになった」とナインをたたえる長倉監督。「栗原が一番成長しました」とほほ笑んだ。

 野球部創立以来初のベスト16。「せめて接戦に持ち込みたかった」という悔しさはあるが、「仲間とここまで来られて、言うことないです」と胸を張った。

  (佐々木香理)

 

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