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【第94回全国高校野球選手権大会(2012)・神奈川】

<ヒーロー>投げ込み続け 結果出す 桐光学園・2年松井裕樹投手

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 準々決勝以降、一人で投げ続けたエースの肩は限界に来ていた。それでも、落差のある縦のスライダーと140キロ超の速球を武器に、強打の桐蔭学園を8安打4点に抑えた。優勝を決めたとき、拳を突き上げ歓喜した。

 入学直後からマウンドに上がり、昨年の横浜との決勝に先発した。度胸はあったが、体力がなかった。中盤で球威が落ち、先制点につながる2塁打を浴びて降板。この苦い経験から一年間、毎日200球を投げ込み、スタミナをつけた。

 鍛錬の成果は、結果に表れた。変化球は見違えるほど切れ味を増し、準々決勝で、横浜を3安打に抑えて雪辱。「横浜に勝って、自信を付けた」。この力投を見た野呂雅之監督から「決勝で先発させる」と告げられ、疲れがたまっても、「気力で投げるつもりだった」。

 この日も、制球は乱れ気味だったが、低めに集めて三振と凡打の山を築いた。「八回が一番きつかった」と言うが、宇川一光捕手(三年)の「この状況を楽しめ」との言葉に、自分を奮い立たせた。

 ヒヤッとする場面もあった。六回の打席、右足首に死球を受け、痛みに表情をゆがめた。しかし、気力は失っていなかった。次の回もマウンドに立った。スタンドの「松井、松井」の大声援にも後押しされ、5四死球ながらも15奪三振で相手打線を封じた。

 優勝は「まだ実感していない」と頭をかく。しかし、「甲子園を目指してやってきた。全国制覇を狙う」と、再び拳を握り締めた。 (志村彰太)

 

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