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【第96回全国高校野球選手権大会(2014)・千葉】

<熱球譜>甲子園の夢 「弟」に託す 専大松戸3年 金子直登投手

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 背番号10を背負い、再び先発のマウンドに立った。ライバルであり、「弟」のようにも感じている年下のエースは、まだ調子を取り戻せていない。「自分が甲子園に連れて行く」。気持ちは奮い立っていた。

 背番号1の原嵩投手(二年)は大会の一週間前、思わぬ不幸に見舞われた。六月から入院し「甲子園に行くまで頑張るよ」と話していた母の昭子さん(50)が、がんで亡くなった。「精神的にタフで勝負強い」。後輩ながらそう一目置いていたエースは大会序盤から、本調子には遠かった。

 準々、準決勝はエースに代わり先発。一人で投げ抜き、チーム初の決勝進出の立役者となった。「冬にあれだけ走り込みをした」。猛暑の中の連投も、不安はなかった。

 しかし、その自信は早くも二回に打ち砕かれた。浮いた球を左翼スタンドに運ばれ、マウンドを降りた。ベンチでは明るく振る舞っていたが、敗戦が決まった瞬間、ぐしゃぐしゃに泣いた。ついには膝から崩れ落ちた。

 目を赤くしながら、原投手には「絶対に甲子園に行けよ」と伝えた。「兄」の背中を見てきた「弟」は誓った。「直登さんの分も含めて甲子園に行きたい」と。 (内田淳二)

 

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