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【第96回全国高校野球選手権大会(2014)・西東京】

<ヒーロー>しぶとさが生んだ決勝打 日大鶴ケ丘(杉並区)3年中里雅哉選手

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 九回裏2死一、二塁。一打サヨナラの好機に「二塁の五十嵐は代走のスペシャリスト。転がせば絶対に生還してくれる」。フルカウントになった日大鶴ケ丘の中里雅哉選手は、次の直球に食らい付いた。芯に捉えきれなかったが打球が三遊間を抜けたのを見て勝利を確信した。

 昨年の秋季大会は、ベンチ入りできず悔しい思いをした。打撃が得意でない分、冬の間にバントと守備をひたすら磨き、春季大会から背番号をもらった。今大会は3試合目の5回戦から、不調の金井浩太朗主将に代わって先発出場する。緊張したが、金井主将に「頑張れ」と励まされ続け、「自分の持ち味でチームに貢献すればいい」と腹を据えた。

 「難しい飛球でも、絶対に落とさない」。気合を入れた。5回戦からの4試合で失策ゼロ。左翼手で出場した決勝も三回、飛球を捕ると、素早い送球で二塁に戻る走者を刺すなど堅守でチームを救った。打撃も準々決勝で公式戦初の長打となる二塁打を2本放つなど、存在感を見せた。

 「粘って粘って、四球でもなんでも塁に出る。走者がいれば、バントで確実に送る」。試合での姿勢は、チームが掲げる「泥くさい野球」そのもの。

 監督も認めるしぶとさが鮮やかな決勝打を生み、チームを甲子園に導いた。興奮のあまりスタンドの大歓声はほとんど耳に入らなかった。

  (林朋実)

 

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