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【第97回全国高校野球選手権大会(2015)・東東京】

<熱球譜>言葉より行動 寡黙なリーダー 荒川商3年・五十嵐 昴主将

昭和鉄道に敗れ涙を流す荒川商業の五十嵐主将(左)

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 前日は七回の攻撃で3点差をひっくり返したものの、九回に同点に追いつかれた。延長十五回を戦っても決着がつかず、わずか十五時間後に迎えた引き分け再試合。

 この日も、鍵を握ったのは七回だった。1点差に詰め寄り2死二、三塁。一打逆転のチャンスに、打順が回ってきた。前日の不調を吹き飛ばすように、先頭打者として三度出塁し、いずれも生還していた。「自分が決める」

 しかし結果は左飛。逆に流れを断ってしまった。「相手投手の強気に負けた」と唇をかんだ。

 言葉よりも行動で示すタイプという。新チーム発足当初は、勝ちたいという意欲が低く、秋季大会は初戦敗退。それでも仲間を叱咤(しった)するのではなく、誰よりも必死に練習し、その姿を見せることでチームを引っ張ってきた。

 「とにかく一生懸命。冬場は先頭を切ってタイヤを引いて走り、チーム一の俊足になった」。石川和也監督はそう語り、主将の成長に目を細めた。敗因についても「継投のタイミングが一歩遅かった」と選手たちをかばった。

 高校最後の夏は初戦敗退だけれども、再試合を含め2試合を戦えたのは、寡黙な主将に仲間がついてきてくれたからこそ。「自分は頼れるキャプテンではなかった。後輩には、怒鳴れるキャプテンになってほしい」。泣き顔のほおが少し緩んだ。 (小形佳奈)

 

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