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【第98回全国高校野球選手権大会(2016)・東東京】

<熱球譜>プレッシャーと戦った145球 二松学舎大付3年・大江竜聖投手

二松学舎大付−東亜学園 6回裏東亜学園1死二塁、交代して松嶋投手(左)に声をかけ、右翼の守備へ向かう二松学舎大付の大江選手=神宮球場で

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 奪三振ショーを見せたこれまでと違って明らかに様子がおかしかった。代名詞のスライダーが決まらない。自慢の速球にも数字ほどの球威はなく、ことごとくはじき返された。

 重圧で押しつぶされそうになりながらマウンドに上がっていた。一年生から夏の甲子園を経験しているエースは「自分が抑えなければ」と全てを背負い込んだ。守りに入ってしまい、野球人生で初めて、「打たれるのが怖い」と思った。

 気後れが生まれ、立ち上がりから制球が定まらない。窮地でギアを上げる本来の姿はなく、ついに五回、この日迎えた3度目の満塁のピンチで逆転を許した。

 準々決勝まで、今大会ナンバーワン左腕と評された通りの投球を見せてきた。低めのスライダーに相手のバットは面白いように空を切り、5回戦では16奪三振をマーク。140キロ台後半の直球も魅力で、ファンの視線をスピードガンにくぎ付けにした。

 準優勝だった昨秋と今春の都大会はともに関東一に敗れ、最後の夏で雪辱を果たすつもりだった。因縁の相手はこの日、目の前で決勝進出を決めたが、左腕がたどり着くことはなかった。

 六回途中で降板するまで雨の中で投じた高校最後の145球。強気で三振を狙う勇姿をもっと見ていたかった。 (加藤健太)

 

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