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【第98回全国高校野球選手権大会(2016)・東東京】

<ヒーロー>人生初のサヨナラ打 関東一3年・森川瑶平選手

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 歓喜の輪に飛び込むと、サヨナラ打を放ったヒーローの姿は見えなくなった。両チーム合わせて最も小柄な身長158センチ。パワーで劣る点を克服しようと取り組んできた打撃が、土壇場で成果となって表れた。

 意外性を買われてつかんだこの夏の初スタメン。準決勝までは一塁コーチャーとして声をからし、うずうずしながら出番を待った。

 とはいえ、いざスコアボードに名前が載ると一気に緊張が高まった。周りに「おまえ変だぞ」とからかわれたが、二回に二ゴロをさばくと楽になり、終わってみればチーム最多タイの3安打の活躍だった。

 高校入学時から身長は2センチほどしか伸びず、サプリを飲んだり柱にぶら下がったりを今も試す。「もっと遠くに飛ばしたい」と背伸びしたくなる気持ちを抑えて、つなぎ役として小技や進塁打を磨いてきた。

 右方向に強い打球もその一つ。こだわり抜いた技は十回の最後の場面で右中間を破る一振りを生んだ。「自分で決めるつもりだった」と外角の真っすぐを無心で振り抜いた人生初のサヨナラ打。ようやくプレーで貢献でき、優勝の喜びもひとしおだ。

 チームは今大会3度目のサヨナラ勝ちを収め、粘り強さが際立つ。始まりは1安打しか打てずに完封負けした春のセンバツの1回戦。「甲子園の借りは甲子園で返す」と繰り返してきた合言葉を全員野球で体現してみせる。 (加藤健太)

 

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