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【東京新聞の事件報道ガイドライン】

人権報道進める好機に 東京・社会部長 佐藤 敦

2009年2月15日

 重大な刑事裁判に国民が参加する裁判員制度が五月から始まり、刑事司法は大きな転換点を迎えます。公正な裁判と報道の自由との調和を図り、国民の知る権利にいっそう応えるために、東京新聞は昨年二月から、よりよい事件報道のあり方の検討を進め、その結果を、記事・見出しの表現を見直す指針としてまとめました。

 事件は社会がはらむ病巣の現れであり、それを正しく知ることによって私たちは、再発防止のための知恵を見いだしてきました。

 事件の背景に迫り、確かな情報を伝える報道がなかったら、私たちは身近で起きた犯罪すら分からなくなり、社会不安の解消も、危険情報の共有もできなくなるでしょう。

 捜査機関に不正はなかったか、裁判手続きは適正だったか、権力の監視も事件報道の大きな役割です。公共の関心事に応え、国民の知る権利に奉仕することこそ報道機関の使命であり、それは刑事司法がどのように変わっても、変わるものではありません。

 ただ、行きすぎた報道が厳しい批判を受けてきたのも事実です。捜査機関の情報だけに頼ったり、問題のある捜査を見逃し、無罪の人を「犯人」とするような報道があったことは否定できません。

 裁判員法の制定過程では「容疑者を犯人と決めつける報道が、裁判員に過度の予断や偏見を与える」と、報道規制の動きもありました。私たちは「報道の自由を妨げる」として新聞協会と歩調を合わせ、各社の自主的な取り組みに委ねるよう求めてきました。

 今回の見直しの中で私たちはまず、無罪の推定を受けるべき容疑者・被告を、犯人と決め付けないことの再確認を徹底しました。情報の出所をできるだけ明らかにし、報道の信頼性をより高めることも決めました。

 事件報道の見直しはこれで終わりではありません。私たちは裁判員制度のスタートを人権報道を前進させる好機ととらえ、報道の質を高めるための不断の努力を続けます。

 

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