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【社会】

年金598億円支給漏れ 公務員妻ら10万6000人 91年以降、システム不備

 厚生労働省は十三日、情報システムの不備や事務処理ミスで、一九九一年以降、公務員の妻ら約十万六千人に総額約五百九十八億円の年金の支給漏れがあったと公表した。夫婦の間で年金の上乗せ部分を付け替える「振替加算」という制度で発生。同一の仕組みを巡って起きた年金未払いとしては、過去最大規模という。 

 対象者の96%は夫婦どちらか一方が、主に公務員が入る共済年金加入のケース。国家公務員と地方公務員が五割弱ずつ、残りが私学共済の加入者。二〇一五年十月に共済年金と会社員向けの厚生年金を一元化したことがきっかけで表面化した。

 一人当たりの未払い額は最高で約五百九十万円、平均約五十六万円。対象者に通知を送った上で、十一月十五日に支給する。時効は適用せず、未払い分の全額を支払う。

 ただ、約四千人は既に亡くなっているため、未支給の年金を受け取る権利のある「生計が一緒だった三親等以内の親族」に知らせる。該当者がいない場合、相続はされず不支給のままとなる。

 公的年金では、妻(または夫)が六十五歳未満の場合に、条件を満たせば扶養する夫(または妻)の厚生年金・共済年金に一定額を上乗せする「加給年金」という仕組みがある。妻が六十五歳に達して基礎年金を受け取るようになると、加給年金は妻への「振替加算」に切り替わり、年齢に応じて月約六千〜一万九千円支給されている。

 しかし、支給実務を担う日本年金機構と公務員らの共済組合のシステム間で、夫婦の年金記録が情報共有されなかったり、事務処理を誤ったりして、十万五千九百六十三人に計約五百九十八億円の振替加算分が支払われていなかった。未払いは振替加算の仕組みができた九一年から発生していた。

 一五年秋の年金一元化を受け年金機構が共済年金の情報システムを直接利用できるようになったため、ミスが相次いでいた振替加算について昨年十二月から総点検を実施して判明した。

◆重く受け止める 官房長官が強調

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十三日午後の記者会見で、約五百九十八億円の年金支給漏れがあったと厚生労働省が公表したことに関し「大変な問題だ。支給されていなかった年金を速やかに支払うとともに、再発防止に全力で努める」と述べた。

 同時に「日本年金機構が自ら点検して判明し、速やかに対処した」と説明。「ミスが生じないことが最も重要だ。今回の事態を重く受け止め、同機構には適切な事務処理を行うよう対処させたい」と強調した。

   ◇ 

 日本年金機構は14日から、年金の振替加算支給漏れについて専用ダイヤルを開設し、問い合わせに応じる。年金証書や支給額変更通知書などで自分の基礎年金番号を確認の上、0570(030)261まで。平日午前8時半〜午後5時15分まで受け付ける。各地の年金事務所でも問い合わせを受ける。

<振替加算> 厚生年金と共済年金のいずれかに20年以上加入していた受給者に、扶養する65歳未満の配偶者や18歳未満の子ども(障害があれば20歳未満)がいる場合には、「加給年金」として一定額が上乗せ支給される仕組みがある。「老後の扶養家族手当」の位置付けで、配偶者に厚生年金の加入期間が20年以上ある場合は支給されない。配偶者が65歳に達すると加給年金は終了するが、条件を満たせば、配偶者が受給する基礎年金に年齢に応じ月6000〜1万9000円程度が「振替加算」として上乗せ支給されている。振替加算の対象は1926年4月2日〜66年4月1日生まれの配偶者。

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