東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

御料牧場のブタ 大震災、避難者の糧に

 御料牧場がある栃木県高根沢町は、二〇一一年三月十一日の東日本大震災で震度6強の揺れに見舞われた。牧場でも集会所の柱や壁に大きな亀裂が入るなどした。

 県内への影響は地震被害にとどまらなかった。東京電力福島第一原発事故を受けて、福島県から多くの人が避難してきた。鹿沼市や益子町など六カ所の避難所には、天皇、皇后両陛下のお気持ちを受け、牧場の豚で作った「下総(しもふさ)煮」の缶詰や卵、サツマイモなどが提供された。

 牧場では約七十頭の豚が飼われている。黒毛のバークシャー種と白毛のランドレース種だ。肉は皇室の日常の食事用に供されるほか、ベーコン、ロースハム、ウインナーソーセージなども作られる。下総煮は一口大の豚肉に塩や香辛料を加えて煮たもの。牧場が千葉県・三里塚にあった頃から作られている。

 ベーコンやハム類は両陛下が主催される園遊会で、ゴーダチーズと一緒に小さな器に盛られ並べられる。

 一般的に豚は豚舎の中だけで育てられるが、牧場では土の広場で放牧される。木の下で寝そべったり、シャワーで水浴びしたりしながら元気に走り回る。「豚肉の質に悪影響を与えるストレスが最も少ない条件で育てている」と鈴木稔場長。

 〇七年五月に皇太子ご夫妻と滞在された愛子さまは、四月に生まれたばかりの子豚に魅了されたという。滞在のたびかわいがるだけでなく、宮内庁の職員組合の文化祭に、この子豚をモデルに「ぶたちゃん」と題した紙粘土細工を作り特別出品した。

 飼育員に抱きかかえられても暴れたこの子豚は、愛子さまに抱かれると、おとなしく、すやすや寝てしまうこともあったという。

 この子豚は、一四年一月、牧場で天寿を全うした。 (小川直人、高橋淳、蒲敏哉)

(東京新聞)

牧場を元気に走り回るブタたち。いかにストレスなく育てるかが鍵という=栃木県高根沢町の御料牧場で

牧場を元気に走り回るブタたち。いかにストレスなく育てるかが鍵という=栃木県高根沢町の御料牧場で
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報