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【政治】

ひとり親支援 未婚に拡大 6月から政令改正

 厚生労働省は、配偶者と死別・離婚した寡婦(寡夫も同じ、以下略)への経済的支援の一部を、未婚のひとり親も受けられるよう、六月から政令などを改正する。保育料や医療費など計二十五分野が対象。それでも未婚だと支援を受けられない分野は多く、専門家は法改正による抜本的な「格差」解消を求めている。 (編集委員・上坂修子)

 寡婦は所得税法で、配偶者と死別または離婚して扶養親族がいる者などと定義されている。所得税には寡婦控除があるほか、所得を基に算出される住民税や保育料なども軽減される。結婚せずに出産したひとり親は、同法上の「寡婦」に該当しないため、支援が受けられない。

 同じ「ひとり親」の不公平を解消するため、一部の自治体では未婚でも寡婦とみなして独自に支援をしている。厚労省も、所管する分野から▽保育料の軽減▽難病医療費の自己負担軽減▽看護師資格などを取得する際の給付金増額−などで「みなし寡婦」の手法を採用。六〜九月に順次実施していく。対象者は申請が必要。

 だが厚労省所管の国民年金保険料の減免、財務省・総務省所管の所得税・住民税の寡婦控除などは、法改正で「寡婦」の定義を変える必要があり、現行で未婚のひとり親への支援は実現していない。与党内では既に法改正が議論されているが、昨年十二月にまとめた与党税制改正大綱では「二〇一九年度改正で検討」と結論が先送りされている。

 所得税法を所管する財務省の担当者は、寡婦への支援制度は一家の大黒柱を失った人たちへの配慮で、もともと大黒柱がいない未婚は当てはまらないと説明。「寡婦に未婚を加えると、結婚して出産するという伝統的な家族観の変化を主導する話になりかねない」と指摘する。

 厚労省の調査では、全母子世帯に占める未婚の母親世帯は一六年で8・7%と推計。死別による母子世帯(8%)を上回る。母子世帯の平均年収は、死別が百八十六万円、離婚が二百五万円に対し、未婚は百七十七万円で一段と低い。

 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京都)の赤石千衣子(ちえこ)理事長は「未婚の母親は、やむを得ない事情がある人も多い。収入も低く、不利な状況が重なっている。(寡婦と)同等に扱うことが、子どもの貧困対策の趣旨にも合う」と法改正を訴える。

<寡婦控除> 所得税法で定める所得控除の一つ。1951年、戦争で夫を失った妻の支援のために創設され、81年に父子世帯にも拡大。所得や扶養親族の有無により、27万円か35万円の控除が受けられる。未婚は対象外。

(東京新聞)

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