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【社会】

森友要求で何度も照会 財務省文書20件、経緯浮き彫り

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題に絡み、財務省は九日、既に公表済みの同省近畿財務局の内部文書五件以外に、新たに文書二十件を公表した。文書からは、同省の売却担当者が、学園側からさまざまな要求があるたびに法令担当者に契約内容を相談していたことが判明。過去二例しかなかった売却を前提とした国有地の賃貸借契約に慎重になりながらも、学園側に将来の買い取りを念押しするため、便宜であることを明確にして交渉を進めていった経緯が示されていた。 (清水祐樹、白山泉)

 昨年の通常国会で同省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官が学園側との交渉記録を「廃棄した」と繰り返し答弁していたことから、野党各党は「偽証は明らかだ」などと反発、佐川氏の証人喚問を含む国会招致を求めている。自民党の森山裕国対委員長は「重く受け止めて、対応を協議したい」と語った。

 九日公表された二十件は二〇一三年八月〜一五年四月に財務省内で、法律関係の問題点を検討した際の照会や回答の文書。会計検査院に提出したのは昨年十二月下旬以降で、十一月に公表された検査結果には反映されなかった。

 新たに公表された文書によると、学園側から「国有地の処分は売却が原則だと知っているが、学校経営が安定するまで八年間借り受けた後に購入したい」と要望があり、売却担当者は「売却を前提に八年間の賃貸借契約を検討する必要が生じた」として、法令担当者に照会をかけた。

 売却担当者は、学園が八年以内に土地を購入できない場合に更地での返還を求められるようにするには、どんな契約がいいかを相談。法令担当者は「賃貸借契約とするのは学園側への便宜だと明確にすべきだ」などと助言した。その後作成された国有財産売買予約契約書案には、売却が原則だが、学園側の「強い要望」によって十年の定期借地契約を締結した上で売買予約契約を作成するという文言が記載された。

 一五年四月の文書には、学園から軟弱地盤の改良工事費用の負担要請があったことが記されている。売却担当者は「具体的な工事方法や請求金額が示されないため、何らかの判断をするのは困難」だとしながらも、「国としては一六年四月開校に協力する姿勢は堅持したい」との考えを法令担当者に示し、この問題を棚上げして契約する方法を打診。法令担当者から棚上げすると、契約が成立しない可能性を指摘され、「軟弱地盤の要素を鑑定評価に適切に反映させる」とした。

 近畿財務局は一五年五月、学園と十年の定期借地契約を結んだ。

(東京新聞)

 

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