東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

リーマン・ショック10年 日本財政悪化止まらず

 十五日で十年がたつ二〇〇八年の金融危機「リーマン・ショック」の際に財政支出を急増させた先進七カ国(G7)の中で、日本の財政悪化がこの十年で最も進んだ。ほかの国は危機から平常時に戻り支出を抑えるが、日本だけが予算を膨張させ続ける。リーマン級の経済危機が再発した場合、膨大な支出を伴う緊急の景気対策を打つことができる余力はどんどん小さくなっている。 (渥美龍太)

 国際通貨基金(IMF)によると、国内総生産(GDP)に占める日本の借金残高の比率はリーマン前年の〇七年の175・4%から、一八年四月で236%と大幅に悪化した。米国は64・6%から108%、欧州の中で財政状況が厳しいイタリアも99・8%から129・7%と日本に比べれば悪化していない。

 当時、世界的な不況になったことを受け、各国は景気回復のために予算の支出を増やし、日本も計三十兆円近い経済対策を打った。その後、景気回復に伴い各国は予算を絞ったが、日本の旧民主党政権と安倍政権は景気対策を名目に支出を増やした。リーマン後に、英国やイタリアなども財政を監視する独立機関を設けており、G7でないのは日本だけだ。

 日本だけが予算の膨張が止まらない結果、今年末に編成される一九年度の当初予算の一般会計は初の百兆円を超える見通し。借金が増え続けて、緊急支出の余力が乏しくなっている。

 日銀元理事の早川英男氏は「日本より余力がある米国でさえ、次の景気後退の備えに危機感が強い。日本は、普通の景気後退にさえ耐えられない可能性がある」と指摘する。

 こうした懸念に対して、当時は首相として対応に追われた麻生太郎財務相は十一日の記者会見で「(次の危機が)起きる状況による。仮定の話には答えにくい」と明確に話さなかった。

<リーマン・ショック> 2008年9月15日の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけとする世界的な金融・経済危機。信用力の低い人などを対象とした住宅ローン「サブプライムローン」に関連する金融商品などの価格下落で高まっていた金融機関の信用不安が、一段と深刻化した。世界的に株価が暴落し、実体経済にも悪影響が及んで世界同時不況に陥った。景気てこ入れのため、各国が財政出動や金融緩和に動いた。

(東京新聞)

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報