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【国際】

マハティール氏 平和憲法支持 戦争参加へ改憲「大きな後退」

 【ニューヨーク=赤川肇】マレーシアのマハティール首相(92)は二十八日、日本の改憲の動きについて「もし改憲して戦争することを許容するなら大きな後退だ」と警鐘を鳴らした。国連総会での一般討論演説後の記者会見で答えた。

 かねて評価してきた日本の憲法九条について認識を問われ「(改憲は)平和を促すのではなく、問題解決のために戦争を使う他国に加わることになる」と指摘。九条を「日本が戦争することを許さない憲法」と位置づけ、「私たちも追随することを考えている」と述べた。

 総会の演説でマハティール氏は、テロの続発や米中の貿易戦争を例に「世界は十五年前より悪化している。経済的、社会的、政治的に混乱状態だ」と指摘。パレスチナ問題ではイスラエルの不法行為が国際的に看過されているとして、国際社会の関与を呼び掛けた。

 マハティール氏は五月に十五年ぶりに首相に復帰した。親日家として知られる。

◆国連の場で意義を 市民団体働き掛け

 マレーシアのマハティール首相に対しては、埼玉県日高市の市民グループ「SA9(九条を支持せよ)キャンペーン」が、国連の場で憲法九条の意義を語ってほしいと働き掛けていた。中心メンバーの在日ドイツ人平和歴史学者クラウス・シルヒトマンさん(74)は本紙の取材に「私たちが望んでいた発言とほぼ同じ内容だ。とても勇気づけられた」とマハティール氏の発言を歓迎した。

 シルヒトマンさんらは、マハティール氏が八月に来日した際、憲法九条に倣って自国の憲法を改正する考えを表明したことに注目。今月、マレーシア首相府に同氏宛ての親書を送り、国連で九条の価値に触れ、各国が憲法に同様の規定を設ける重要性を訴えてほしいと要望していた。

 市民グループは、国連総会での憲法九条の支持決議を目指している。憲法に平和規定を持つ国や非武装国を中心に、在日大使館や国連本部に趣意書を送付。非武装国パナマや世界的に影響力があるバチカン市国の在日大使館を訪れ、大使らと意見交換してきた。マハティール氏への働き掛けも、こうした運動の一環だ。

 今後は運動にマハティール氏の発言を取り入れ、賛同の輪を広げていきたい考え。事務局を務める政治学者の大森美紀彦さん(66)は「マハティール氏の発言にはとても感動した。小さな市民運動だが、これからも頑張っていきたい」と話した。 (安藤美由紀)

(東京新聞)

 

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