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2001年5月17日苦難の三宅牛 年末にも2世帰島のめどなく玉川大移住
火山活動が続く伊豆諸島・三宅島にいた牛の一頭が、東京都町田市の玉川大学農学部で元気に育てられている。全島避難で島から逃れてきた牛を、実習用に大学が引き取ったためで、牛は現在、妊娠している可能性が高く、出産は年内の見込み。牛を世話する学生や大学関係者は「元気な子牛の誕生を」と温かい目で見守っている。 育てられているのは三歳のジャージー牛。ホルスタインと違い小型で褐色の毛を持ち、乳量は年間三千三百−四千キログラムと少ないものの、乳脂率が五%と高いのが特徴。バターやクリームの原料として優れている。 三宅島では温暖な気候を利用した乳牛の飼育が盛んで、村営牧場や個人所有を合わせて約三百頭の牛が飼われていたが、約半数が噴火などで死んだとされる。 残った牛は昨年八月の全島避難後、村民らが牧場から都内に輸送し、東京都青梅市の畜産試験場に預けた。しかし、火山活動が長期化し、帰島のめどが立たないことから、今年四月、学生の実習用として牛を探していた同大農学部がこのうちの一頭を引き取った。 同大では、農場実習の授業の一環として、学生たちが搾った牛乳を使ったアイスクリーム作りに取り組んでいる。引き取った牛も当初、授業に活用する予定だったが、三月に試験場で行った交配で妊娠している可能性が高まったため、搾乳を中止している。 学内に設けられた牧場で育つ牛は、食欲おう盛だが、放牧で育てられていたためか、人見知り気味。学生たちは、牛を刺激しないように気を付けながら干し草を与えたりして、子牛の誕生を心待ちにしている。 出産は十二月中旬の予定。農場実習の授業を担当する高崎宏寿助教授は「島では大変な目に遭ってきた牛だけに、ここでゆっくりと、元気な子牛を生んでもらいたい」と話している。 |